白石麻衣”倫子”のアクションがすごい! 父親の死の真相とは? ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』第7話考察レビュー
火9ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)が放送中だ。反町隆史演じる人情味のある“昭和刑事”と、杉野遥亮演じるクールな“令和刑事”が風化寸前の事件を追うヒューマンミステリーエンターテインメント。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】白石麻衣の美貌にうっとり…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』劇中カット一覧
ついに描かれた反町隆史“飛鷹”の過去編
加勢英雄(中村俊介)の殉職を知った飛鷹千寿(反町隆史)。加勢の死に顔は、傷による痛々しさはあるものの、まるですべての罪が洗い流されたかのように安らかな表情をしていた。「何やってんだよ」と悪態をつく飛鷹からは、やるせなさが滲む。 時は2014年まで遡り、『オクラ~迷宮入り事件捜査~』第7話では飛鷹たちの過去編が描かれた。ちょうど加勢が公安部から戻り、捜査一課強行犯係の係長に就任した頃。この時から飛鷹は、お蔵入り事件の独自調査を行っていた。 ただ、現在の飛鷹のようなダークヒーローみはなく、協力する倫子(白石麻衣)の父であり飛鷹の元相棒・結城真一(平山祐介)や後輩刑事・久常未来(渋谷謙人)も、まっとうな正義を持って事件に取り組んでいる印象だ。飛鷹が結城に警視庁のマドンナ・井伏愁(観月ありさ)のことで冷やかされるシーンは、闇が深まる展開が続いた分、ホッと癒しを感じるシーンでもある。 ところが、事態はひとりの警察官の死によって一変する。 コンビニ強盗の通報を受け付近を巡回していた久常が、不審な人物を追って爆破事故に巻き込まれたのだ。手掛かりは、“フルフェイスの男”。数少ない情報の中、突然「阿澄」と名乗る警官が久常に関するネタを提供してくる。この人物が現在井伏とともに飛鷹の捏造を手助けするあの阿澄玄人(三浦獠太)と気づき、驚きの声を上げた視聴者はきっと少なくないだろう。
爆破事件の真相へ迫る飛鷹と倫子
お蔵入り事件は、警察が強引に蓋をして“未解決”となったものばかり。その蓋をこじ開けることはタブーで、自分たちは踏み入れてはいけない領域まで達してしまったのではないか、と。そう考えた結城は、飛鷹に未解決事件の捜査の取りやめを持ち掛ける。 結城は、決して遺族や被害者の心を少しでも軽くするという使命感や正義を投げ捨てたわけではない。娘の倫子の成長を見るにつれ、いつの間にか彼女の幸せが最優先事項になっていたのだ。どこかのヒーローならば「命をかけて戦う」なんて言いそうだが…。「死にたくない」とか細く口にする結城は、とても人間味に溢れていた。 久常、結城、加勢が犠牲になった爆破事件の手口は、すべて共通している。電子制御式の爆弾に、遠隔起爆装置として使われた携帯電話、そして犯人と思わしき“フルフェイスの男”。 飛鷹から父親が殺害された事件の詳細を聞いた倫子は、自ら“フルフェイスの男”と対峙する。その時のエネルギッシュで研ぎ澄まされたアクションシーンは、まさに圧巻。倫子と彼女を演じる白石麻衣の芯の強さが重なって見えた、鮮やかな逮捕劇だった。