パンダが繋ぐ上野と中国――「春節祭」を通して見える中国人旅行客の行動 ニッポン放送アナウンサー・前島花音
中央通り商店会・副会長の大河原さんにもインタビューをさせていただきました。大河原さんによると上野の春節祭ならではの特徴があるそうです。 「本来春節では、その年の干支にフィーチャーしますが、このイベントでは上野と中国を繋ぐ存在である“パンダ”も大きく取り上げています。第1回である2022年は上野動物園のシャンシャン返還が決まったことから“ありがとうシャンシャン”というテーマで飾り付けを行ったところ、多くのパンダファンの方に訪れていただきました。 今年もパンダのグッズを身に着けた方がとても多く、一日ごとに異なるパンダの写真がデザインされたポストカードを配布していたところ、全ての絵柄をコンプリートしたいと4日間連続で通ってくれている方も沢山いらっしゃいます」 実際に私が取材した際も、パンダのキーホルダーつけたり、バッグやカチューシャを身に付けたりしている方を多く見かけました。また、パンダをモチーフにしたグルメにも行列ができ、「おかえりシャンシャン!毎日パンダ特別写真館」というブースでは、シャンシャンの写真を見たいと続々と人が集まっていく姿も印象的でした。 そして、来場される方にも特徴があるようです。 「来場したお客様のうち、3分の2が日本人、3分の1が海外の方という割合です。その海外の方も、日本に旅行に来ていたところ、たまたま立ち寄ってみた、という方がほとんどのようです。 そして、ここにいらっしゃる中国人は、旅行客ではなく、比較的、日本で暮らす方が多いように感じます。故郷の味や春節の雰囲気を楽しんでいるようですよ。毎朝500人ほどが入場列を作り、どの屋台も大行列となっていますね」 私が取材に伺った最終日も、会場にいるほとんどが日本人でしたが、中国の文化である「春節」に触れ、大いに盛り上がっていることが分かりました。 では、中国人旅行客は春節をどのように過ごしていたのでしょうか。 調べていくと、どうやら中国人の旅行先のトレンドが変わってきているようなんです。中国の旅行サイトでは“新馬泰”、つまり“シンガポール・マレーシア・タイ”が検索キーワードの上位を占め人気国となっていることが分かります。