いつか分からないがなるべく早く…二転三転の鹿児島市サッカースタジアム構想、新候補地を問う市議に当局は具体案示せず
鹿児島市議会は11日、多機能複合型サッカースタジアム整備に関する特別委員会を開いた。新たな候補地の選定時期について、市は「めどはない」と述べた。市は2月、早期整備を理由に鹿児島港本港区北ふ頭での整備を断念し、候補地は白紙に戻っている。可能な限り早く決めると強調する一方、これまで具体的スケジュールは示していない。 【写真】サッカースタジアムの候補地に挙がっていた鹿児島港本港区
同日の委員会で、委員から候補地選定の時間的な見通しを問われ、市は「可能な限り早期に取り組むが、具体的なタイミングはない」と説明した。過去2度の候補地断念を踏まえ「再び二転三転したら市民や議会の理解を得られない。次が最後の候補地となる」との考えを示した。このほか、港湾計画の見直しが必要となる本港区での整備は「難しい」とも述べた。 委員からは、多機能複合型や街中スタジアムといった市の整備方針を再考するよう促す意見もあった。市は「(集客性が期待できる立地などとした過去の)提言の趣旨を尊重する」と述べるにとどめた。 特別委は本港区のまちづくりを調査する目的で2022年10月に設置し、13回開いた。改選前最後となった3月11日は、市議会や関係者の理解を踏まえて選定を進めることが課題、などとする取りまとめを行った。 同日は、スタジアム整備の機運向上や先進地視察などを盛り込んだ24年度一般会計当初予算案を審査する産業観光企業委員会もあった。同委は、選定を最優先に、候補地のめどが立ってから慎重に予算執行するよう付帯決議した上で、可決した。
南日本新聞 | 鹿児島
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