孫の誕生で有給の「孫休暇」 愛知県一宮市が導入、祖父母も育児を
愛知県一宮市は7月1日から、孫の誕生にあわせ、祖父母にあたる職員が有給休暇をとれる「孫休暇」の制度をスタートさせた。祖父母が育児に参加することで、子育て世代の負担を減らす狙いがある。 市では、1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)が2019年に1.39、20年に1.36と、いずれも全国値を0.03ポイント上回っていた。ところが、コロナ禍を経て落ち込み、23年は1.15と全国値を0.05ポイント下回った。 中野正康市長は「やれることは、すぐやりましょう」と庁内で対策を協議。今後、順次拡大される定年延長により、60代以上の職員が増えていくことが見込まれるため、他地域で導入例のある孫休暇に行き着いた。 妻の出産にあたって夫が休みがとれる現行制度を、祖父母に拡大する。「出産介護」(入院~出産日以降2週間)で最大2日間、「出産養育」(出産予定日8週間前~出産日以降1年)で最大5日間、組み合わせれば最大7日間の有給休暇がとれる。正規職員だけでなく、再任用職員や会計年度任用職員も対象とする。 人口約32万人の福島県郡山市では、導入から14カ月間に52人が孫休暇をとったという。約38万人の一宮市は年75人がとると見込んでいる。(嶋田圭一郎)
朝日新聞社