千葉県芝山町と友好都市協定 奄美市、成田―奄美路線10年機に交流拡大へ
鹿児島県奄美市と千葉県芝山町は1日、「空港で結ぶ友好都市協定」を締結した。芝山町は成田国際空港に隣接する町。2014年7月1日に奄美空港と成田空港を結ぶ新規路線として、LCC(格安航空会社)のバニラ・エア(現在はPeach Aviation=ピーチ アビエーション=が承継)が就航して10年を迎えたのを機に、両地域のさらなる交流拡大を図る。奄美市としては今回の協定を成田・奄美路線の安定化につなげたい考え。奄美市の友好都市協定締結は兵庫県西宮市、大阪府豊中市に続き、芝山町が3自治体目。 世界への玄関・成田空港と、世界自然遺産の島の自治体である奄美市。「世界」を共通項とする両自治体の協定は、「人と人を空で結び 共に羽ばたく友好都市」がテーマ。 ▽産業振興・観光交流に関する相互協力▽未来を担う子どもたちの交流▽その他、空港を生かしたまちづくりに関する事業―について、両自治体が連携して取り組むこととしている。 芝山町は千葉県の北東部に位置し、23年3月現在の人口は6883人。面積は43・24平方キロメートル。空港関連の会社が多く、航空科学博物館もある。米、ニンジン、スイカ、落花生などの生産が盛んで、県内有数の農業地帯としても知られる。 成田線就航後、16年から芝山町の中学生が奄美大島へ修学旅行を実施。奄美市も芝山町の「芝山はにわ祭り」や航空科学博物館での催事に特産品ブースを設けるなど、互いの交流を深めてきた。 1日は奄美市役所で協定締結式があり、安田壮平市長と芝山町の麻生孝之町長が協定書に署名した。 安田市長は「協定締結を機に、今後末長い交流の輪を広げるとともに、約1300キロを隔てた両自治体が空を結ぶ玄関口となり、より多くの人に両地域の魅力を体感してもらうための懸け橋となることを期待したい」とあいさつ。 これに麻生町長は「奄美市の子どもたちが世界に羽ばたいていくきっかけづくりのお手伝いを、私たちができればとも考えている。これからより一層、幅を広げて交流させてほしい。長い付き合いをお願いします」と応じた。 式には奄美市、芝山町の関係者ら約30人が出席。ピーチの福島志幸執行役員、元バニラ・エア代表取締役会長の石井知祥氏らも出席した。奄美市議会の奥輝人議長と芝山町議会の伊橋寿夫議長が祝辞を述べた。
式後は同市名瀬の集宴会施設に会場を移してレセプション(芝山町関係者の歓迎会)を開催した。両市町の関係者ら約80人が出席した。唄者の前山真吾さん、平田まりなさんが祝い唄「長朝花節」で歓迎。千葉県指定の無形民俗文化財で芝山町白桝が発祥の「白桝粉屋(しらますこなや)踊り」も披露された。 江戸時代、白桝村にあった粉屋の美しくも薄命だった娘を慕って歌われた演目で、修行僧により関東各地や東北に伝えられた。白桝粉屋踊り保存会(吉河一男会長)が出演し、男女役に分かれたしなやかな踊りで舞台に花を添えた。