城定秀夫&向井康介が実現!傑作サスペンス『悪い夏』2025年に公開、原作者も期待のコメント
小説家の染井為人によるデビュー作にして、累計18万部以上を売り上げた著書「悪い夏」が、2025年公開で映画化決定。あわせて原作者の染井をはじめ、本作で監督を務める城定秀夫や脚本家の向井康介からコメントが寄せられた。 【写真を見る】河合優実、南沙良らが出演し、城定が監督を務めた『女子高生に殺されたい』 本作は第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した傑作ノワール・サスペンス。気弱な性格からトラブルに巻き込まれやすい地方公務員や、ネグレクト寸前のシングルマザー、そして彼らを犯罪の道に引きずり込むヤクザや売人など、“どうしようもない人々”による壮絶な悲劇が描かれている。 監督を務めるのは『ビリーバーズ』(22)、『女子高生に殺されたい』(22)など異色の原作を傑作映画に仕立ててきた城定。“ピンク映画界の鬼才”ともいわれ、2023年の東京国際映画祭「Nippon Cinema Now部門」では城定の作品の特集上映が組まれた。脚本は『ある男』(22)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した向井が務める。日本映画を牽引する2人が、本作で初タッグを組む。 そして今回、原作者の染井のほか、城定と向井から本作への意気込みと期待あふれるコメントが到着。染井は「とても思い入れのある作品。イチ映画ファンとして、『悪い夏』がスクリーンに描かれるその日を、静かに待ちたい」と寄せた。 一度読み始めたら、手が止まらなくなると話題の「悪い夏」。息をつかせぬノワール・サスペンスに、エンドロールまで目が離せないことだろう。 ■<スタッフコメント> ●城定秀夫(監督) 「原作小説を読んで即座に『やりたい!』と思い、ワクワクしました。うだるような暑さのなか、右往左往する登場人物たちの駄目さやどうしようもなさは人間の愛おしさでもあると感じます。極上社会派エンタメであるこの素晴らしき原作に出会えたうえに、いつか一緒に仕事をしたいとずっと思っていた向井康介氏に脚本を書いてもらったわけですから、これはもう、撮影前から面白い映画になるに決まっていますし、つまらなかったら全部ぼくの責任です。死ぬ気でがんばります!」 ●向井康介(脚本) 「城定監督とはこの企画でご一緒するまで、一度もお会いしたことはありませんでしたが、あのやりがい搾取だけで成立していたゼロ年代のインディーズ邦画界を辛くも生き残り、生成AIに脅かされつつある令和の産業革命前夜に至る今日まで、ひたすら映画と並走してきた同志だと勝手に信じ、その背中を見つめてきました。そんな監督とこうして向き合って仕事ができることに、望外の幸せと縁を感じています。『悪い夏』は生活保護の不正受給を巡って様々な欲望や愛情が交差するサスペンス。日本の社会構造を皮肉に分析する染井さんの原作の中に初期の今村昌平作品に通じるものがあることを発見し、映画化の糸口としました。城定秀夫meetsイマヘイが今回の僕の裏テーマです。みなさま、令和の重喜劇をどうぞご期待ください!」 ●染井為人(原作) 「何者でもなかったわたしを作家にさせてくれたのが『悪い夏』です。人生を変えてくれた、と言っても過言ではない、とても思い入れのある作品です。とはいえ、映画はあくまで監督を始めとした製作チームのもの。わたしはイチ映画ファンとして、『悪い夏』がスクリーンに描かれるその日を、静かに待ちたいと思います。きっと、胸を熱くさせてくれることでしょう」 文/壁谷雪乃