昭和なつかしのトヨタ「トヨペット クラウン」をなぜZ世代若者が…? 親戚の倉庫に眠っていたノンレストア車を路上復帰、初お披露目!
親戚の倉庫で眠っていたクラウンを譲り受けた
西野さんは、あるとき現在の愛車のクラウンが親戚の倉庫に眠っていることを知らされる。もともとは親戚のお兄さんから弟さんへと引き継がれたが、その後そのまま倉庫保管となっていたのだった。西野さんは子どもの頃に見た記憶が残っており、当時も「カッコイイ」という憧れの気持ちがあった車両だった。 「処分したという噂を聞いていたのですが、車検が切れたまま数年間倉庫に置かれた状態だったのです。ナンバーも返却していなかったので、そのまま残っていました。ただし、実際に車検を取っても本当にちゃんと乗れるかどうかは半信半疑でして……。そのため、車検を通すため最低限の整備だけをして様子を見ようと思ったら、予想以上に何も問題がなかったのです」 西野さんから伺った修理箇所は以下の通り。ステアリングにガタがあったので、アイドルアームをオーバーホール。バックスイッチランプが点灯しなかったが、愛車のコロナと共通部品だったためコロナから借用。マフラーが破けていた部分を修理し、ラジエーターのコア替えを実施。また、タイヤを現行のマキシス製ホワイトリボンに交換している。これだけで実働可能になったため、コロナは車検切れのタイミングで継続せず所有し続け、このクラウンが西野さんのメイン車へと格上げされたのだ。 「コロナは当時の大衆車で、このクラウンは高級車です。足まわりの造りが違うから乗り心地もいいですし、内装は豪華。トヨグライド、電動アンテナ、8トラのカーステレオを装備し、現代のカローラとレクサスの違いのような感覚で楽しんでいます(笑)」 現状の悩みは、ウェザーストリップの劣化により雨天使用は不可能。そのため、日常の足グルマを別に用意しようかと検討中だという。 「古いクルマに乗っていたら、クーラー、パワステ、パワーウインドウ、キーレスエントリー、集中ドアロックといった装備なんてありませんから。高望みしなくなるので、軽貨物車で十分かなと思っています」 デジタルネイティブ世代が楽しむ、60年前の昭和の高級車。西野さんのそんな日常生活を、わずかでも覗いてみたい心境に駆られた出会いだった。
酒寄俊幸
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