会わずに信じた恋愛・投資話 「SNS型詐欺」被害者が語る巧妙な手口 40~50代にも広がる
犯人と直接会うことなく、SNSのやり取りだけで現金をだまし取られる詐欺被害が急増しています。 【動画】入浴中の写真、偽造チャート…被害者が語るSNS型詐欺の手口 添い寝をイメージさせるような写真や、時には入浴中のきわどい写真。 「馬鹿ですよね。やっぱりおかしいと思わないと。途中おかしいと思うことはあったが信じてしまっていた」 こう語るのは、三重県津市に住む60代の男性。きっかけは今年8月にTikTokでフォローした“ある女”からのダイレクトメッセージでした。 「Ayaと言って台湾・台北市の人だった。仕事も素晴らしいですねとか、結構褒める感じだった」(津市の60代男性) その後LINEでのやり取りに移行し、女からは手料理の写真などが送られてきました。さらに「両親にあなたのことを話した」などと、結婚をほのめかすこともあったといいます。 「良いように受け取ってくれているんだと心が開きぎみになった。結婚を考えているという意識ではなく、好きは好きだけど、つながっていたいという感じ」(津市の60代男性)
心を許した男性にもうけ話、390万円戻らず
日増しに心を許していく男性に、女はある提案をしてきました。 「女が慈善活動をしていると言っていたから、自分も子ども食堂をやりたいと言った。そうしたら『素晴らしいですね』と。しばらくしてネットショップの話になった」(津市在住の60代男性) 子ども食堂を開く資金を集めるために女が勧めたのは、女性ものの洋服やバッグを扱うネットショップ。「1日20万円以上儲かる」と話すカラクリは…。 まず男性は、ネットショップに陳列する商品を選びます。客から注文が入ると「仕入れ代」を運営会社に振り込み、後日利益が乗って戻ってくるという仕組みです。 男性は最初の3回で38万円を振り込み、計9万円ほどの利益が戻ってきたといいます。しかしーー。 「初めの3回は1~2日で利益が届いたが、残りの6回あたりになると届かなくなった。『あれ?おかしいな』というのもあったし、購入される金額がだんだん上がっていって、次に1000万円ぐらいの商品の購入があったと言ってきたので、これは対応できないと思って警察に行った」(津市の60代男性) 結局その後の利益は戻ってこないまま、振り込んだ約390万円をだまし取られました。 「一番の原因は会っていないのに信じてしまったこと。会っていないのに金の話をしてくる状況は疑ったほうがいい」(津市の60代男性) 対面することなく、恋愛感情を抱かせ現金をだまし取る「SNS型のロマンス詐欺」。今年に入って全国的に急増し、愛知県でも10月末までに被害は50件、総額3億7000万円にのぼっています。