秋の花粉症や寒暖差アレルギーに注意!ハウスダストが1年で最も増える秋のアレルギーへの対策は?
涼しく過ごしやすくなってきた初秋、「目や鼻がぐずつく」「くしゃみや鼻水が出る」など不調を感じていないだろうか?季節の変わり目で昼夜の寒暖差もあることから「風邪でもひいたかな?」と思っている人も多いかもしれないが、もしかするとその症状、“アレルギー”かもしれない…!?では、秋のアレルギーには一体どういったものがあるのだろうか?特に注意すべきアレルギーは以下の3つである。 【写真】見たことある!これが秋の花粉症の原因であるブタクサだ ●花粉症 ●ハウスダスト ●寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎) 今回は、上記3つのアレルギーがどういったものなのか、一つひとつ紐解いて注意点と対策について解説していこう。 ■春だけじゃない!秋の花粉症にも要注意 ■秋の花粉症とは? 花粉症といえば春のスギ花粉やヒノキ花粉のイメージが強いが、昨今は秋に開花する植物にも注意が促されている。秋の花粉症の原因となるのはキク科やイネ科の植物が挙げられる。なかでも、日本全国に広く生育しているキク科のブタクサは特に注意が必要だ。日本で初めて報告された花粉症は、春のスギ花粉症でもヒノキ花粉症でもなく、秋に咲くこのブタクサ花粉症だという。 「ブタクサ」と名前を聞いてもピンとこない人も多いと思われるが、きっと一度は目にしたことがある植物である。空き地や草むら、河川敷、道路脇などに生育し、草丈は1~2メートル。夏の終わりから秋にかけて、小さな無数の黄色い花を開花させる。明治初期に日本に持ち込まれた外来種で、荒れ果てた地でもアスファルトの隙間でもたくましく生えてくるのが特徴だ。 ■飛散時期は? 花粉の飛散時期はエリアによって異なるが、8月中旬から10月ごろまで。関東近辺では12月まで飛散することも。 ■おもな症状は? ブタクサ花粉は、スギ花粉の半分ほどのサイズでとても小さい。よって、鼻毛などもすり抜けて体の奥や気管支まで入り込んでしまうので厄介だ。おもな症状は、目のかゆみやくしゃみ、鼻水、鼻づまり。ここまでは春の花粉症と大差はないが、春の花粉症と比べ、咳が出やすく風邪の症状と間違いやすいので要注意だ。 ■秋の花粉症の対策は? ブタクサをはじめ秋に花粉を飛ばす植物は、飛散範囲が狭いという特徴がある。ブタクサを例にすると、飛散距離は数メートルから100メートルほど。春の花粉の場合は飛散範囲がかなり広いので逃げ場がないが、秋の場合は「原因となる植物の生育場所を避ける」というのが有効な対策となる。少し遠回りとなっても通勤路を変えてみたりしよう。 対策アイテムとしては、春の花粉症と同様でマスクや花粉症用メガネ、衣服の花粉を払い落とすための洋服ブラシ、花粉・アレルギー用の目薬など。どうしても生育地域に近づかなければいけない場合は携帯しよう。 ■実は1年で秋が最も多い!ハウスダスト ■なぜ秋が一番増えやすい? ハウスダストとは屋内に溜まるホコリのことで、ダニやカビをはじめペットのフケなども含まれている。ダニの繁殖時期は夏なのに、秋が一番ハウスダストの要注意時期と言われているのはなぜだろうか?それは夏に繁殖したダニが一斉に死に、その死骸やフンが一気に蓄積するシーズンだからである。そのため、秋にハウスダストを原因とするアレルギーを発症する人が多くなる。 ■おもな症状は? ハウスダストを起因とするアレルギーもアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を起こすので、くしゃみや鼻水、目のかゆみ…といった代表的な症状は花粉症と同じ。個人差はあるが、ひどくなると喘息を引き起こしたり、アトピー性皮膚炎の原因ともなりうるので要注意。 ■ハウスダストへの対策は? 残念ながらハウスダストを完全に除去することは不可能だ。なるべく減らすためにはこまめな掃除が有効と言われているが、ほかにできることはないか考えてみた。 1つ目の対策は「衣替えのときのマスク着用」。衣類にはハウスダストが付きやすい。しまっていた服についたハウスダストを吸い込まないようにマスクを着用し、十分な換気を行いながら衣替えをしよう。また、洗濯してしまっていた衣服だとしても取り出したときに再度洗濯して天日干しを行うのも有効だ。 2つ目は「大掃除の時期の変更」。年末に予定している年に一度の大掃除を、2カ月ほど早めて秋のこの時期に行うのも手。ハウスダストを冬まで放置せず、どうせするなら一番有効的な時期にずらすのもいいだろう。 ■寒暖差アレルギーって何?予防策は? ■寒暖差アレルギーとは? 昼夜で気温差が開くこの時期、風邪ではないもののくしゃみがでたり、鼻づまりを起こしたり、頭痛がしたり…という症状を引き起こしたことはないだろうか?もしかするとそれは「寒暖差アレルギー」かもしれない。寒暖差アレルギーは名称に“アレルギー”とついているものの、実はアレルギーではない。何かしらのアレルゲンに起因する症状ではないため、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれている。風邪でもない、アレルゲンによるアレルギーでもないがくしゃみや鼻水が止まらない場合は、寒暖差アレルギーの疑いも! ■どんなときに生じる症状なのか? 季節の変わり目で昼夜の気温差が7度以上ある時期に引き起こしやすい症状と言われている。原因として考えられているのは、自律神経の乱れ。不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れた際に発症しやすい。 ■おもな症状は? 鼻水・鼻づまり、くしゃみやせき、頭痛などアレルギー性鼻炎と症状は似ているが、目のかゆみはない。そのかわりに、急激に気温が下がったことや乾燥によって引き起こされた皮膚のかゆみや湿疹、じんましんなどの症状が出ることも。筋肉量が少ない高齢者や30~40代女性に多いといわれている。 ■寒暖差アレルギーへの対策は? 気温差が大きくなると発症する症状のため、まずは体感温度の調整が重要である。外出の際はアウターを持参しよう。日中だけのおでかけだとしても、日陰や室内の空調によっては寒く感じる場所もあるので、サッと羽織れるカーディガンやパーカーがベスト。また、首元を温めるのも効果的なので、マフラーやストールなども持っていると便利だ。 自宅での対策としては、夜になると気温が下がるので、就寝の際に厚手の靴下や手首を温める手袋をするのも手だ。本格的な冬の到来はまだなのに…と躊躇せず、手首足首を温かくして眠ろう。 最後に、寒暖差アレルギーは自律神経の乱れが原因となって起こる症状なので、適度な運動をすることがマストである。筋肉量が少ないと体温調整が難しくなるため、有酸素運動をおもに行い、筋肉量を強化するといいだろう。 近年は残暑が厳しく長引くことが多い。そして、やっと涼しくなってきたと思ったら一気に冷え込んでいき、季節の移ろいのスピードに体が追いつかないことも。体調管理には気をつけて、自律神経を整え、心も体もしっかりと冬支度をしよう。 取材・文=大庭かおり