“もうひと転がり”が手に入る 『67』の柏原明日架は40g重いパター専用シャフトでバーディ量産
<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 2日目◇14日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県)◇6560ヤード・パー72> こちらがそのパター専用シャフト【写真】 初日「72」の60位タイと出遅れた柏原明日架が、この日のベストスコアにあと1打と迫る6バーディ・1ボギーの「67」をマークしてトータル5アンダー、首位と7打差の11位タイに浮上。夏の時期特有の“遅い”グリーンを攻略して、5位に入った3月の「アクサレディス」以来のトップ10入りがかかる。 全国的に熱い夏の時期はグリーンのスピードが遅くなる。グリーンの速さを表すスティンプメーターは、通常のトーナメントなら11フィート前後が多く、12フィート以上の高速グリーンもある。しかし、夏場は10フィートを切ることも。今大会は2日間とも9と4分の1フィートで、遅いグリーンに苦労する選手も少なくない。 柏原もその一人だが、「今日はパットが入ってくれた。ショットはいい感じで打てているのに、チャンスがなかなか決められたなかったけど今日はよく入ってくれました」と振り返った。 春先は2度のトップ5入りもあったが、夏場はグリーンに苦しんだ。7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」から4試合連続で予選落ち。遅いグリーンに対応するために「最後にもうひと転がりさせたい」とメーカー担当者と相談し、「ニトリレディス」から日本シャフトのパター専用シャフト「NSプロパター」にチェンジ。連続予選落ち記録を止めた。 それまでは手元側に重量を入れるなどの工夫もしてきたが、全体を重くして転がりをよくする狙いで、「NSプロパター」の160グラムのモデルを採用。一般的なパターのシャフトより40グラムほど重くなっている。 通常、重量を重くすると打感がボケやすくなるが、このモデルは重量があっても打感が手に伝わりやすく、フィーリングを出しやすい特徴がある。「ニトリで替えてから予選落ちもないし、パッティングのフィーリングもだいぶよくなってきた」と最後の”ひと転がり”を手に入れてこの日のバーディ量産につなげた。 また入れたいパットの時ほど、タッチに集中することもポイントという。「打つ時にラインに乗せることを考えてしまうと(インパクトで)合わせてしまいます。打つ前にラインをしっかり決めて、構えに入ったらオーバー目に打つことだけを考えます」というのも夏場のグリーン対策だ。 今大会は2016年から9回目の出場となるが、予選落ちは昨年の1回のみ。7位に入ったこともある。「わりと相性のいいコースだと思うので、ショットもパットも自分が納得のいくヒットをすること、そこにフォーカスしたい。上とはまだ差はありますけど、あきらめないでがんばりたい」としっかり優勝戦線に絡むつもりだ。(文・小高拓)