<村瀬歩>「時光代理人」第2期インタビュー(1) 双子の兄妹を一人で演じる 幼少期、妹に扮した兄までも
「ティエンチェンは、元々正義感が強くて、お母さんや妹のティエンシーを『自分が守らなきゃ』とか『幸せになってもらいたい』という思いで動く。過去の事件から大人の男に対して、あまり良い印象を持っていなくて、自分がどれだけ思いや正義の心を持っていてもかなわないというコンプレックスも結構あって。そこに暴力という手段を持って対抗しようとしたことでまた悲劇が起こる。そんなキャラクターだなと思います」
兄に対して妹のティエンシーは、兄が失ってしまった正義の心を持って「お兄ちゃんを助けたい」という気持ちが強いと感じているという。
「過去のトラウマで心を閉ざしてしまっていて、言葉が話せなかったりと、コミュニケーションの手段はすごく限られているんだけど、きちんと他人に頼るとか、感情を持って人と接しようとか、人間の原始的なところをすごく大事にしているというか。そういうところに兄妹ですごく差があるなと思いました」
◇喉を整え“ド根性”で 幼少期から兄と妹の違いを演じ分け
双子だが、考え方や性格にはかなり違いがあるティエンチェンとティエンシー。村瀬さんは、どのように演じ分けているのだろうか。
「最初にお話をいただいた時は『大丈夫かな……』と思いました(笑い)。ただ、せっかく自分を指名してくださって、演じられるという可能性を見つけてくださったのであれば、『もうやるしかない』とド根性で臨みました。収録の前日はかなり早い時間に寝て、お酒は絶対に飲まないようにしていました。収録の朝は6、7時ぐらいに起きて喉の調子を整えたりとか」
1日の収録で兄と妹の両方を収録することが多いため、喉が消耗しないよう気をつけているという。
「妹のティエンシーから録(と)ることが多かったのですが、ティエンシーは話が進むにつれて、だんだんハードモードになってきて『うう……』とうなったり、泣いたり、怖がったりするシーンが多くなるんです。そういうシーンは喉をグッと締めるのですが、『これは結構、喉の消耗量がすごいな』と思って、気をつけていました」