阪神淡路大震災20年・鉄骨むき出しスタジオから発信 ── 岩崎和夫アナ「夢中で伝えた」
鉄骨むき出しのスタジオで青春ラジメニア、安否情報伝える
当時、岩崎アナは同局の「青春ラジメニア」という番組を担当。アニメソングをフルで流し、当時は毎週3000通のリクエストはがきが来るという超人気番組だ。現在も毎週土曜日に放送されており、今年で放送開始から26年となる。 震災発生から初めての土曜日がきた。もちろん、そのような楽しい内容の番組を放送することはできない。アシスタントでタレントの南かおりも、鉄道や道路が寸断されていたことから、来ることができなかった。「もうあの時はずっと、安否情報をひたすら読んでました。『いまここにいます、無事です』『人工透析はここの病院で受けられます』」 安否情報など、生活情報を伝える日々。しかし、翌週のラジメニアには、南かおりも駆けつけた。寸断された交通網を避け、大阪から日本海側を通るという大変な通いだった。それでも、リスナーが待っていると番組をはじめた。 回を重ねるごとに、はがきの数も増えていった。スタジオは近くの駐車場にプレハブを建てた仮設のもの。リスナーからの報告を読むなど、少しずつだが落ち着きも取り戻していった。 同番組の常連である声優の神谷明の呼びかけで、阪神・淡路大震災の復興支援チャリティを目的としたWITH YOU(ウィズ・ユー)が結成され、岩崎アナらもそのコーラスに参加するなどした。
17日はラジメニア放送日、震災についての話も
今でも1月17日が来ると、関係する曲を流したり、その時のことを毎年話すようにしている。だが、今年はくしくも17日は土曜日。しかも20年という節目のため、きっと番組の生放送では、当時のことをいつも以上に多く語ることになるのかもしれない。 「ラジメニアも25年やってるから、もうリスナーの子どもさんも一緒に家族で聴いている人もいてるんですよ」と岩崎アナ。きっと、その放送でこの阪神淡路大震災を知らない子どもらも、みんなでこのこと知るきっかけができるだろう。きょう17日の放送は、いつも以上に気合いを入れて臨む。 ラジオ関西では同日午後12時から「阪神・淡路大震災1・17追悼式典」を中継。 18日は午前9時から「サンデー神戸~阪神・淡路大震災から20年を迎え~」という番組で、「1.17のつどい」の音源を盛り込みながら震災を振り返る。また、午後4時からは「“心に歌声を”スペシャルコンサート」を放送する。 ■岩崎和夫(いわさき・かずお)1953年東京都板橋区生まれの同北区育ち。小学校4年の終わりに母親の実家がある奈良県へ。大学卒業後に奈良県の中学校教師となるが、2年後にラジオ関西アナウンサーとして採用される。1986年、アニメソングに特化した番組『アニメ玉手箱』を担当し、1989年からは「青春ラジメニア」パーソナリティに。2001年に同局退社後はフリーアナウンサーとして活動。神戸電子専門学校講師なども務め、現在はラジメニアのほか「岩崎和夫の情報アサイチ!(ラジオ関西)」(毎週金曜午前5時50分~同9時まで)を担当している。