〈白石晴香×小林親弘〉互いの演技と魅力、今年注目の“拷問”まで語り尽くす!アニメ『姫様“拷問”の時間です』インタビュー
共演経験のある2人がお互いを見て感じたことは?
――おふたりは以前もほかの作品でご一緒していますし、お互いを長年見てきたからこそ感じることもあると思います。小林さんから見た白石さんの成長はいかがですか? 小林:23歳だと思っていたら、来年には29歳になるらしいんですよ。ほんとに立派になって……あの頃、まだ乳母車を押していた僕としては、こんなに大きくなるなんて思わなかった(笑)。 白石:え? 物理的な大きさですか?(笑) 小林:(笑)。真面目なことを言えば、演技はもともと素敵だったのが、今回はより素敵にのびのびとやられていて。僕はそれにのっかるだけでした。上から目線になっちゃいますいけど、このまま成長してくれたらいいなと思っています。今後がますます楽しみですね。 ――逆に白石さんは、小林さんから学んだことも多いのでは。 白石:それはもう、出会った当初からアフレコのたびに勉強させていただいています。長く共演させていただいている作品はシリアスな場面も多く、心の通わせ方がまた違っていたのですが、今作でさらに新たな面を見ることができてすごく嬉しいですし、たくさん学ばせていただいています。 お芝居以外のことでいうと、最初に共演させていただいてすぐの頃ですかね。「晴香ちゃんはしっかりしているね」と言ってくださって。当時の私は22歳とか23歳だったかと思うのですが、一緒にステージに立たせていただいたとき、小林さんの回答がいつも「右に同じです」で(笑)。 小林:そうそう。「もうほとんど(晴香ちゃんが)言ってくれたので、僕が言うことはないです」って(笑)。 白石:ずっとそうだったんですけど、今回それがなくなっているのが成長ですかね!……というのは冗談ですが(笑)そんなこともあったなって思います。 小林:ありがとう。僕の乳母車を押してくれて。本当にお世話になりました(笑)。最初は緊張で震えていたもんね。 白石:私たち、冗談を挟む余裕もなかったですよね。 小林:なかったなかった。こんな(冗談を言う)人間じゃなかったんですよ、昔は。 ――話を聞いていても本当にいいコンビだなと思います。その2人が今回演じられたキャラクターについて教えてください。 白石::姫は王国の第三騎士団の騎士団長で、かなりの腕利き、騎士としては本当に強い人です。軍を率いるリーダーシップもあり、聖剣エクスを持つのに相応しい人間のはずなんですけど……囚われの身になり拷問を受け、幼少期に執事のジモチから少しずつ教えられてしまった庶民的な部分が開放されていきます。 「(庶民的なお菓子である)ゴリラのマーチの味」とか「その1個1個に描かれた顔の表情を見て楽しむ」とか、そういった日常のワクワクを知っている子なんです。それが拷問で一層揺さぶられて、屈せられてしまいます。騎士団長の姿と、庶民的な部分の両面が彼女の魅力であり、見ていてとても可愛らしいですね。すごく素直で、自分の気持ちに真っ直ぐ従ってしまった結果、ダバダバとよだれを垂らしたり、気づいたら屈していたりするんですよ。 小林:我慢が難しい、真っ直ぐな子だよね。 白石:真っ直ぐなのは、騎士としても本来の姿としても共通するかなと思います。 ――では、エクスはどんなキャラクターでしょうか? 小林:お付きの聖剣であり、従者であり、ツッコミであり、という感じですね(笑)。 白石:常識枠です。 小林:回を重ねるごとに世界の常識がズレていく作品でもあるので、エクスの視点とともに「あれ? これ拷問だっけ?」「拷問ってなんだろう?」と考えちゃうと思います。あまりにも魔王軍の人たちがみんな優しくて、拷問だと忘れそうになりますから、世界観を忘れないためにもエクスは大事なキャラクターですね。視聴者目線というか。 姫も美味しいものがあったら食べるという、別の意味で視聴者目線ですけどね(笑)。欲望と戒め、心の中の天使と悪魔みたいな感じで。 白石:確かに、天使と悪魔だ。みんな絶対どっちも持っているはずですから。 小林:2人合わせて1人の人間であると。たぶん原作の300話あたりで合体する回があると思います(笑)。