韓国の優秀医療機関 「首都圏偏在」明らかに=米誌ランキング
【ソウル聯合ニュース】韓国の医療機関が米誌ニューズウィークによる臨床分野別の世界病院ランキングで上位圏に名を連ねたが、このうち大部分が首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)の医療機関であることが、19日分かった。優れた医療機関の首都圏偏在が明らかになったことで、地域医療機関の質的向上のための対策づくりが急がれるとの指摘が出ている。 ニューズウィークのランキングによると、がん(腫瘍学)分野で韓国の医療機関はサムスンソウル病院(3位)、ソウル峨山病院(5位)、ソウル大病院(8位)、セブランス病院(23位)、ソウル聖母病院(37位)、国立がんセンター(40位)、盆唐ソウル大病院(57位)の7か所が100位以内に入った。 300位以内には計16の医療機関がランクインしたが、このうち首都圏以外にあるのは全南大和順病院(116位)が唯一だった。日本の場合、ランクインした26の医療機関のうち地方の病院が13か所と半分を占めていることとは対照的だ。 地方に住むがん患者が遠路はるばるソウルの大型病院を受診するのは、首都圏と地方の医療機関の「診療力の不均衡」が背景にあるといえる。 このような状況は、他の臨床分野でも同じだった。 韓国の医療機関は心臓手術(150位まで集計)で4か所、心臓(300位)で8か所、消化器(150位)で9か所、神経(125位)で8か所、神経外科(125位)で5か所、産婦人科(100位)で3か所、整形外科(150位)で9か所、呼吸器内科(150位)で9か所、泌尿器科(125位)で10か所がランクインしたが、いずれも首都圏にある病院だった。 一方、内分泌分野と小児分野では地方の医療機関も一部含まれた。 首都圏と首都圏以外の医療機関で診療力の差を縮めるためには、優秀な医療陣の地域医療機関への流入と定着を促し、首都圏以外の医療機関を全面的に支援しなければならないとの声が上がっている。 日本では、都道府県が設立した自治医科大の卒業生が一定の期間を地域医療に携わることを義務付ける制度を設けている。また、政府のガイドラインに沿って医師確保の対策を講じるなど、自治体が積極的な役割を果たしている。 韓国政府は、地域を拠点とする国立大医学部の教授を3年間で1000人増員するほか、実験・実習用の先端機材を支給し、国立大の付属病院を集中的に支援することで地域必須医療の拠点として育成する方策を打ち出している。 また、医師の地方勤務を促すために来年から自治体が指定する医療機関で長期勤務することを条件に月400万ウォン(約43万円)の地域勤務手当を支給する「契約型必須医師制」を導入する計画だ。 野党も7月、公共保健医療大学・大学院を設立し、卒業生には地方の医療機関などで10年間の勤務を義務付ける内容の法案を提出した。
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