稲村氏後援会、公選法違反の疑いで告発状も提出 X上でのデマ巡り
兵庫県知事選で落選した稲村和美・前同県尼崎市長(52)の後援会は22日、開設したX(ツイッター)のアカウントが選挙期間中、うその通報によって凍結されたとして、容疑者不詳のまま偽計業務妨害の疑いで兵庫県警に告訴状を提出した。県警は今後、捜査するかどうか慎重に判断するとみられる。 後援会「ともにつくる兵庫みらいの会」で世話人を務める津久井進弁護士(兵庫県弁護士会)が、県庁で開いた記者会見で明らかにした。 後援会によると、稲村氏の選挙活動を発信するXの公式アカウントは知事選告示後の6日、投稿や閲覧が突然できなくなった。12日に急きょ開設した別のアカウントも運用を始めた約1時間後に凍結された。最初のアカウントは投開票前日の16日まで使えず、別のアカウントは今も凍結が続いているという。 Xのホームページによると、特定の人物を標的にした嫌がらせやヘイト行為を禁じ、違反した場合はアカウントが凍結されることがあるとしている。 後援会は内部でルール違反は確認されていないとしたうえで、不特定多数の人物がXの管理者にうその通報を繰り返してアカウントを凍結させ、選挙活動を妨害したと主張している。 また、後援会は公職選挙法違反の疑いで告発状も出した。稲村氏を巡っては選挙期間中、「外国人参政権を進めている」「県庁の建て替えに1000億円をかける」などといったデマがX上で飛び交っていた。後援会はこうした投稿が、公選法が禁じる選挙の自由を妨害する行為などに当たるとしている。 津久井弁護士は会見で「選挙結果に不満があるということでは毛頭ない。民主主義が正しく機能するため、きちんとした仕組みが必要であるという国民的な議論を期待している」と訴えた。 斎藤元彦知事(47)が再選を果たした知事選は、稲村氏も含めて7人が立候補した。次点だった稲村氏は斎藤知事に約13万7000票差で敗れた。【大野航太郎】