トマト食い荒らす害虫「トマトキバガ」県内初確認
トマトの実や葉を食い荒らし、品質の低下を招く害虫、「トマトキバガ」の成虫が10月県内で初めて確認されました。県は見つけた場合は速やかに駆除するなど注意を呼びかけています。 「トマトキバガ」は成虫の体長が5ミリメートルほどの南米原産の「ガ」の一種で、幼虫がトマトの茎や葉のほか実に入り込んで食い荒らすことで品質を著しく低下させます。県は10月、栃木市と芳賀町の2カ所でトマトキバガ専用のわなにトマトキバガと疑われる成虫を捕獲し国の専門機関で確認したところトマトキバガと判明しました。 県内での確認は今回が初めてで作物への被害の報告はまだないということです。栃木県農業総合研究センター防除課の春山直人主査によりますと、「幼虫はトマトの葉や実に潜り込んで葉や実の中を食べる特徴がある。」ということです。また葉の食べ方について同じくトマトの葉を好物とするトマトハモグリバエとは異なる特徴があるといいます。春山主査は、食べ方について「線的に食べるトマトハモグリバエと比べるとトマトキバガは食べた痕が非常に広い面的になる特徴があるので1つの目安にしてほしい」と話しています。 トマトキバガは2021年10月に熊本県で初めて見つかって以来全国各地で確認されていて、47都道府県の中で、栃木県は46番目でした。 対策については虫をハウスに入れない防虫ネットが有効です。春山主査は「体長が2ミリメートルほどのコナジラミ対策を徹底すればトマトキバガもある程度侵入は防げる。ハウス開口部へのネット対策とか、薬剤の定期的な防除などを努めてもらえれば」と生産者などへ注意を促します。県は、農場をよく見回り見つけた場合はビニール袋に葉や実を密閉した状態で入れ近くの農業振興事務所に相談するよう呼びかけています。
とちぎテレビ