従来のメディアは適応するのか、絶滅するのか…トランプ勝利は大手メディアの影響力低下を浮き彫りに(海外)
多様化するメディア環境
トランプとハリスの選挙運動は、かつてないほどにメディアが多様化した環境を反映していた。 ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の2023年9月の調査では、アメリカの成人の14%が、ティックトックから定期的にニュースを入手していると回答し、2020年の3%から上昇していた。 18歳から29歳に関しては、2020年の9%から2023年には32%に跳ね上がっている。 一方、エジソン・リサーチ(Edison Research)のインフィニット・ダイヤル・レポート(Infinite Dial Report)によると、2024年1月に12歳から34歳までのアメリカ人の59%がポッドキャストを聴いており、前年の2023年より4%増加している。 主流メディアがティックトックなどのアプリで視聴者を増やす一方で、若者は依然としてインフルエンサーや従来とは違うメディアのアカウントからニュースを入手する傾向があるという。 こうしたアカウントの多くは選挙期間中に自信に満ちた解説を提供し楽しませてくれてたが、一部の主流メディアはその候補者を支持するかどうかを巡って苦悩しており、ジャーナリズムの誠実性や所有権をめぐる論争を巻き起こしている。
オルタナティブメディアのリスク
ポッドキャストやストリームへ出演することは、テレビ討論のような従来の主要メディアへの出演するよりも、有権者にトランプに対する「親近感」を抱かせることとなった。つまり、トランプが聴衆をよく知っていたことが有利に働いたのだ。 だがオルタナティブ(代替)メディアの台頭に伴い、視聴者がフィルターバブルに陥り、その考えがより過激になるリスクををはらんでいる。またフェイクニュースや党派的な論評が増加する危険性もある。 Z世代に特化したメディア企業、ザ・ニュース・ムーブメント(The News Movement)のコンテンツ担当のシニアバイスプレジデント、ジェシカ・コーエン(Jessica Coen)は、「代替メディアが台頭すると、討論会の回数が減り、反論するような有能なジャーナリストとの重要なインタビューが減ることになる」と話す。
Lindsay Dodgson,Mikhaila Friel