5.72点内に4人の大混戦。宮原と坂本の逆転銅メダル獲得の可能性は?
3位のオズモンドまで宮原は2.93点差、坂本は5.69点差。だが、ベテランのカロリーナ・コストナー(31、イタリア)も73.15点で6位につけ、3位のオズモンドからコストナーまで4人が、5.72点内にひしめきあうという大混戦になっている。 「コストナー選手は3回転の連続ジャンプのセカンドジャンプが2回転になったにもかかわらず、高いプログラムコンポーネンツの評価があったため、この位置につけています。もしミスがなければ、コストナー選手、オズモンド選手、宮原さん、坂本さんの順番だったでしょう。コストナー選手に上にいられるのが、メダル争いを考えると日本の2人にとっては、厳しい展開でしたからチャンスはあります。ただ男子と違い技術基礎点の差では勝負ができないので、GOE(出来栄え点)勝負となります」 コストナーは3回転ループでも片手をつくミスを犯していたが、まだメダル圏内だ。 プログラムコンポーネンツ(演技構成点)は、オズモンドが37.04点、宮原が35.69点、坂本が32.82点、コストナーが38.09点。フリーでは、この点数は倍になるので、この部分ではコストナーが有利になる。 またGOE(出来栄え点)は、オズモンドが9.3点、宮原が7.41点、坂本が7.26点、ミスがありマイナス評価のあったコストナーは6.43点だったが、ステップシークエンスでは、2.10点を奪うなど、オズモンドと共に強敵であることは間違いない。フリーではミスをした選手が脱落するという構図になる。 中庭氏は宮原の表彰台条件をこう具体的にシミュレーションした。 「一番大事なのは冒頭の2つのジャンプです。3回転ループ、そして3回転の連続ジャンプを成功させることです。ここを乗り越えると、リズムに乗り豊富な練習量に支えられている得意の後半に入ることができます。後半でのポイントは、若干、苦手意識がありGOEが稼げていない3回転サルコーのクリアでしょう。この2つさえうまくいけば、十分にチャンスがあります。日本人選手の長所は相対的にどんな状況にあってもミスが少ない100パーセントに近い力を出し切れるところにあります。オリンピックは、普通の試合にようにはいきません。ひとつの些細なミスで勝敗が分かれます。滑走順ひとつ取ってもプレッシャーのかかり方が違ってきます。宮原さんは後を考えず思い切ってやるだけのトップです。いい順番を引いたのではないでしょうか、逆に良い演技をする事で後に滑走する選手にプレッシャーをかける事もできるのではないでしょうか」 1日の休養日をおいてフリーは23日に行われる。この日、滑走順の抽選が行われ、宮原は、最終第4グループのトップとなる19番目。次がコストナー、そして21番目が坂本、22番目がザギトワ、23番目がオズモンド、最終滑走がメドベージェワとなっている。