改良・試験が進む駅のホームドア。ロープなど「次世代型」も
従来のドアタイプも更なる改良が
最後に紹介するのは、西武鉄道の新所沢駅。ここでも先日まで、新型ホーム柵の試験が行われていました。ただし、ここに設置されていたのはロープタイプではなく、ドアタイプの発展形。このホームに停まる列車は一部が3扉車(基本は4扉車)のため、これに対応するためにドアと戸袋がまるごと動くのです。文章では説明しにくいのですが、写真を見ていただくとホームドアがその戸袋部分もろとも移動しているのがお分かり頂けるかと思います。ロープタイプの弱点(昇降時の接触やぶら下がり等)と関係ないのが強みとのことで、同駅での試験運用が終わったいま、更なる改良版が登場するのか、気になるところです。
さて、おまけ?として紹介したいのは東京メトロ。既に丸ノ内線をはじめ80駅以上でホームドアの設置が行われていますが、一部駅ではホームドアに加えて「可動ステップ」の設置も進められています。これは、カーブ上にある駅など、ホームと車両の間隔が広い場所で、乗降の際の踏み外し・転落を防止するもので、ホームドアの開閉に合わせて水平のステップが出てくるというもので、さらなる安全性向上が図られています。 ホーム上での「万が一」から命を守ってくれるホーム柵。様々な試験や改良を経て、今後ますます導入が進むことでしょう。より安全に、安心して利用できる鉄道となることを期待したいところです。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる) 大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。