風車9→8基、土捨て場9→3カ所に…八重山風力が国と県の勧告受け計画を修正 希少種クマタカへの影響「小さい」
鹿児島市と薩摩川内市にまたがる八重山周辺で風力発電施設を計画する事業者が20日までに、県知事意見や経済産業省の勧告を受けて進めていた事業計画の見直し案をまとめた。風車を9基から8基に、土捨て場を9カ所から3カ所に削減するなどの内容。来春にも環境影響評価(環境アセスメント)の最終段階である評価書を経産省に届け出、早ければ26年の着工を目指す。 【関連】近くに住宅、希少種の巣も…八重山風力発電が環境に配慮し計画見直し 着工遅れ来年3月以降に 風車9基から7~8基に削減
事業者は、ヴィーナ・エナジー(本社シンガポール)の子会社「かごしま郡山風力合同会社」。2021年12月に公告した準備書では約439ヘクタールの敷地に9基の設置を想定していた。 準備書への知事意見は、風車から1キロ内にある民家や希少種クマタカへの影響、土石流の発生を懸念。経産省も、地元自治体との協議などを踏まえた計画の見直しを勧告していた。 同社によると計画見直しにより、敷地は約170ヘクタールに縮小し、風車から1キロ内の民家は58軒から51軒に減少。残土は約4分の1の15万立方メートルとなる。クマタカについては、「追加調査で影響は小さいと判断した」としている。 同社は今月中旬、見直し案の住民説明会を開いた。案に納得しない住民もおり、風車が自宅から1キロ内にできる予定の園田眞須美さん(61)=鹿児島市郡山岳町=は「騒音や景観、土砂災害への不安は解消されておらず、知事意見などが十分反映されていない」と話した。
事業計画を盛り込む評価書について、制度上、地元自治体は意見を述べる権限はない。評価書の内容については最終的に経産省が判断する。
南日本新聞 | 鹿児島