【子宮けいがん】保護者の4人に1人「HPVワクチン」知らず…接種進まぬ背景浮き彫りに――今年は特に「夏休みの接種を」医師が勧めたい理由
子宮けいがんを予防するHPVワクチンについての意識調査で、対象となる小学6年生から高校1年生相当の女性のうち、28%が「知らない、聞いたことがない」と回答したことがわかりました。 医師は、「子宮けいがんは若い世代に多い病気で、ワクチンと検診で予防できます。非常に有効なワクチンなので、時間に余裕のある夏休み中の接種を検討して」と話しています。
■HPVワクチン、何のため?
HPVワクチンとは、子宮けいがんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染を予防するためのワクチンです。 ウイルスには性交渉で感染するため、性交渉をする前の年代で接種するのが望ましいとされ、小学6年生から高校1年生までは、公費により無料で接種できます。 そして、国による積極的な接種の呼びかけが控えられた9年間に、対象年齢だった人(1997年度~2005年度生まれ)も、2025年3月までの間に「キャッチアップ接種」として無料で接種できます。
■HPVワクチン、実際の認知度は…
国による積極的な接種の呼びかけが再開して約1年半がたち、厚生労働省は接種対象者本人やその保護者約2500人にHPVワクチンに関するアンケートを実施しました。 その結果がこちら。
子宮けいがんを「知っている」「少し知っている」と答えたのは接種対象者本人では69%、保護者では91%でした。
また子宮けいがんの原因となるHPVウイルスに関して「性交渉の経験のある女性であれば誰でも一生に一度は感染する可能性がある」という知識を問うと、「非常にそう思う」「そう思う」と答えたのが接種対象者本人では37%、保護者では46%でいずれも半数を下回っています。
そしてHPVワクチンについては接種対象者本人の28%、保護者の9%が「知らない(聞いたことがない)」と回答しています。
政府が接種を勧める取り組み(積極的勧奨)を再開したことは接種対象者本人の53%、保護者の23%が「知らない」と答えています。
一方、積極的勧奨を取りやめていた時期に接種の対象年齢だった世代(1997年度~2005年度生まれ)の女性に対して無料で接種できる「キャッチアップ接種」を行っていることについては対象の世代の接種対象者のうち53%と約半数が「知らない」と回答しています。