箱根駅伝Stories/不動の絶対王者・駒大 最強4年生世代が牽引「チームに何ができるかを常に考えている」
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。 第100回箱根駅伝の駒大エントリー選手名鑑をチェック!
力みなぎる4年生
2022年度から学生三大駅伝の無敗ロードを突き進む。駒大は今年度も難なく出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、向かうところ敵なしだ。 昨年度は、出雲が2区で、全日本では3区で、箱根は4区で先頭に立ち、その後はリードを広げてフィニッシュへ向かった。 今年度はその上を行く。出雲も全日本も1区で区間賞を取り、そのまま先頭を譲らなかった。昨年度の箱根駅伝往路の小田原中継所以降、21度の中継・フィニッシュ機会すべてでトップを譲っていない。影をも踏ませぬとはこのことだ。 前回の箱根駅伝優勝メンバーから、10000m世界選手権代表の田澤廉(現・トヨタ自動車)、ハーフマラソン前日本人最高記録保持者の山野力(現・九電工)らが抜けた穴は大きいはずなのだ。 しかし、代替わりする前から、大八木弘明総監督(当時・監督)は「来年度はもっと強くなるよ」とどこ吹く風。 それもそのはず、今年度の4年生は、選手層が分厚く力がみなぎっている。この学年の箱根駅伝経験者は8人。うち前々回1区2位の唐澤拓海と2年連続10区の青柿響を除く6人がエントリーされた。 主将の鈴木芽吹は10000mで2年ぶり自己新。安原太陽はワールドユニバーシティゲームス5000m銀メダル。赤星雄斗は全日本5区2位と、充実の前回Vメンバー。11月に上昇をアピールした花尾恭輔、白鳥哲汰、金子伊吹は「復活」の舞台へ備える。そこに全日本1区区間賞の赤津勇進が加わった。エントリー16名中、7名を占める4年生がチームの重心だ。 この世代について今年4月に就任した藤田敦史監督は「チームに何ができるかを常に考えている。この世代が4年生で良かった」と絶大なる信頼を寄せている。 4年生の牽引があるから、下級生がのびのびと個性を伸ばしていける。躍動する3年の篠原倖太朗、2年の佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯らに話を聞くと、4年生たちの雰囲気作りに感謝し、競技者としての尊敬も常に持っている。今の4年生が田澤や山野らに抱いていた気持ちのように――。