“Gキラー”末包 逆転V3ラン 今季初同一カード3連勝&日曜マツダ初星でカープ2位浮上
「広島9-3巨人」(19日、マツダスタジアム) 広島が今季初の同一カード3連勝。日曜日のマツダスタジアムでは今季初勝利を飾り、4月5日以来の2位に浮上した。勝利の立役者は、初回に逆転の1号3ランを放つなど3安打の末包昇大外野手(27)だ。昨季巨人戦で6本塁打の男が“キラー”ぶりを示し、貯金も今季最多の3に。今季のマツダ最多となる、3万1576人の観衆の前で快勝し、21日からは阪神と首位攻防3連戦。一気に虎退治じゃ! 【写真】巨人・高橋礼がまさかの大炎上で1回KO 防御率1・37の右腕が想定外の大量失点 左中間席最前列に着弾した放物線に、誰もが酔いしれた。長く沈黙が続いた日曜日に別れを告げたのは、末包の決勝弾。一振りで試合の潮目を変えられる魅力が、この男にはある。形勢逆転の今季初アーチを「ようやく打てて良かった」と満面の笑みで振り返った。 初回だ。1点を返し、なおも2死一、二塁で高橋礼の高めスライダーを力強く捉えた。「スライダーが浮いてきたら振りたいなと」。狙い通り強振した打球がフェンスを越えると、場内の盛り上がりは最高潮に達した。 チームは今季、この試合まで日曜日の本拠地では未勝利で、計23イニング無得点。高橋礼には0勝1敗、計12イニングで長打がなかった。そんなムードを吹き飛ばした殊勲の一撃。昨季の11本塁打中、巨人戦で6本放った男が今季も“キラー”ぶりの片りんを示した。 四回無死一塁では、遊ゴロかと思われた打球が大きく跳ねるラッキーな中前打。五回1死一塁でも中前に運んだ。今季初の猛打賞には「打撃練習が良かったので、きょうはいけそうな気がしていた」と試合前から予兆があったと明かす。その打撃練習は、現在首位打者で5本塁打を記録しているヤクルト・サンタナを意識したものだという。 同じ右打者で参考になる部分が多い中、バットの出し方を手本にしたそうで「(バットの軌道が)波打っているように見えるけどラインの出し方がうまい」と話す。また、サンタナが12日の巨人戦で高橋礼から一発を放った時の映像にも目を凝らし、攻略への青写真を膨らませていた。豪快な3ランの裏には、細やかな準備が隠されていた。 最近は登場曲に、過去に放送された人気刑事ドラマ「はぐれ刑事純情派」と「太陽にほえろ!」のテーマ曲を使用。「アツさん(会沢)に『俺がやっとく』と言われて、ああなりました。その効果もあって何とか(打てた)」と苦笑しながら先輩の選曲に感謝した。 新井監督も「3点先制された直後だったので、本当に大きかった。昨年の経験が自信になっていると思う」と称賛した。チームは今季初の同一カード3連勝で、貯金を今季最多の3に増やして、21日からは首位・阪神と直接対決に挑む。「どんどん連勝を続けていけるように」と末包。右の大砲候補が反攻劇をけん引する。