『キングダム 大将軍の帰還』はシリーズの集大成 手に汗握る大沢たかおVS吉川晃司のバトル
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、歴史が苦手な宮川が『キングダム 大将軍の帰還』をプッシュします。 【写真】『キングダム 大将軍の帰還』場面カット(複数あり) 2019年4月に公開された第1作『キングダム』を皮切りに、2022年7月に『キングダム2 遥かなる大地へ』、2023年7月に『キングダム 運命の炎』が公開されてきた、佐藤信介監督による映画『キングダム』シリーズ。7月12日に封切られた第4弾『キングダム 大将軍の帰還』は、シリーズの集大成となるような迫力のアクションとカタルシスに満ちた力作だった。 今回描かれるのは、前作『運命の炎』で信(山﨑賢人)と王騎(大沢たかお)が隣国・趙との総力戦を繰り広げた「馬陽の戦い」の続き。『運命の炎』のラストでサプライズ登場した吉川晃司演じる龐煖が本格的に参戦。過去に王騎と馬陽の地で因縁の戦いを繰り広げた“武神”が、信や王騎たちに立ちはだかる。 吉川と同じく前作で初登場した謎多き軍師・李牧役の小栗旬、李牧を支える剣士・カイネ役の佐久間由衣も本格的に登場。また、2作目には不在で、3作目はほんの少しの出演だった楊端和役の長澤まさみ、2作目から圧倒的な存在感を放っている羌瘣役の清野菜名ら、文字通り“豪華キャスト”が集結。さらに今回は回想パートで、王騎と龐煖の“過去の因縁”に深く関わる、素顔を語ることを禁じられた秦六大将軍・摎役の新木優子が初登場。3作目に登場した、嬴政(吉沢亮)の過去と深く関わりを持つ闇商人・紫夏役の杏に続いて、過去パートで大きなインパクトを残している。 『キングダム 大将軍の帰還』の見どころとなるのは、なんと言っても王騎と龐煖による因縁の対決。前作のラストで信率いる飛信隊に圧倒的な力の差を見せつけた龐煖と、信が憧れる大将軍・王騎による“最終決戦”は、一瞬たりとも目が離せない過去一番の名シーンと言っても過言ではないだろう。シリーズ最長となる146分の上映時間も、まったく長さを感じないほど。 2作目以降は夏休み興行の目玉の作品として、すっかり夏の風物詩となった映画『キングダム』シリーズ。原作がまだ続いているだけに、映画も年に1本のペースで続いてほしいところだが、この『キングダム 大将軍の帰還』は「シリーズ最終章」と謳われている。物語的にもひとつの区切りを迎えたところで、最後になる可能性も否めないが、過去3作同様、興行収入が50億円を超えたら存続の可能性が見えるかもしれない。1作目以降、すっかり出番が少なくなってしまった河了貂(橋本環奈)の再びの活躍も見てみたいものだ。
宮川翔