【米議会選2024】 下院も共和党が多数派に 上院と併せトランプ次期大統領に大きな権限
アメリカで大統領選挙と同時に行われた連邦議会選挙で、現地メディアは13日、下院も共和党が僅差で多数党になることが確実になったと報じた。これで共和党が、ホワイトハウスと議会の上下両院を完全掌握することになる。 BBCが提携する米CBSニュースは、1月に新たな任期が始まる下院(定数435)について、共和党が過半数の218議席以上を獲得する見通しになったと伝えた。最終的には220~222議席になると予想している。民主党は、少なくとも208議席を獲得する状況だという。 上院(定数100)は今週、共和党が議席を53に伸ばし、多数派となることが確実になった(民主党および民主党系は47議席)。大統領選では共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利した。 ホワイトハウスと議会両院の三つすべてを一つの政党が握るのは、2017年のトランプ1期目政権の発足時以来。トランプ次期大統領は、経済、移民などの重要課題で、自らの政策を立法化する大きな権限を得ることになる。 反対に民主党は、政策に異議を唱える力が弱まる。ただ、上院は僅差となっており、共和党は議題によっては十分な票を確保するのに苦労する可能性がある。 下院でどれくらいの差がつくのか、まだはっきりしない。トランプ次期大統領は、マット・ゲイツ下院議員(フロリダ州)を司法長官に、マイケル・ウォルツ下院議員(同)を国家安全保障担当の大統領補佐官に、エリス・ステファニク下院議員(ニューヨーク州)を国連大使に、それぞれ指名している。下院議員が政権入りすると、その議席は特別選挙が実施されるまで空席となる。 それでも、議会両院で共和党が多数派を占めることで、トランプ氏は自らの政策をよりスムーズに実現できるようになる。 ■公約の移民政策など推進か 次期大統領は就任後100日間で、不法移民の大規模強制送還や、2021年1月6日の議会襲撃事件で議会に突入した一部の人々の恩赦、ジョー・バイデン政権が実施した環境政策の撤回といった、抜本的な改革を約束している。 また、閣僚や判事らの大統領の指名が、議会で迅速に承認される可能性もある。トランプ氏が支持する法案が、ほぼ反対なしに議会を通過する可能性も高まる。 次の中間選挙は2026年に予定されている。トランプ氏は少なくとも2年間は、議会の監視が弱い状態で政治ができる。 下院共和党は、議長にトランプ氏の盟友マイク・ジョンソン氏を再任させる見通しだ。同党のトム・コール下院議員(オクラホマ州)は13日、「下院議長ほど懸命に働いた人はいない。彼で決まりだと思う」、「(トランプ氏は)マイク・ジョンソンの功績を高く評価していることを明らかにしている」とCBSに話した。 下院では2022年、共和党が多数派の立場を民主党から奪還した。だが、内紛にまみれ、ごくわずかな差しかなかったため、合意形成が難しかった。 僅差での多数派は同じ事態を引き起こす可能性がある。そうなればジョンソン議長は、いくつかの法案を通すうえで、民主党議員の支持に頼らざるを得ない場合もある。 (英語記事 Republicans win House in major boost for Trump's agenda
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