カシメロ、“悪びれない”体重超過で1年の出場停止に…井上尚弥との決戦実現が絶望的で母国紙も嘆き「差は埋められない」
もはや井上尚弥(大橋)との対戦は絶望的となった。 現地時間10月15日、フィリピンの大手放送局『GMA News』は、プロボクシングの元3階級王者のジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)が、日本ボクシングコミッションから国内で1年間の試合出場停止処分を課されたと報じた。 【動画】井上尚弥を狙い続けるカシメロが見せた衝撃フック まさに身から出た錆びだ。 カシメロは10月13日に横浜武道館で開催されたWBO世界バンタム級8位サウル・サンチェス(米国)とのスーパーバンタム級10回戦に向けた前日計量の1度目の計測で1キロの体重超過が判明。2時間後に実施された2回目も600gオーバーとルールに違反した。 試合そのものは当日計量クリアという異例のルールの下で行われた。だが、過去にも体重超過を犯し、世界タイトルを剥奪された経験もあるカシメロは、サンチェスを1回2分41秒の衝撃KOで倒した後に「ナオヤ・イノウエ、カモン!」と絶叫。「自分には、計量なんて関係ない」「5時間我慢して。その後はどうでもいい。いっぱい食べた」と豪語していた。 プロフェッショナリズムに欠ける振る舞いは許されなかった。『GMA News』によれば、JBCの安河内剛氏はメールにて「JBCはすでにカシメロを体重超過のために1年間の出場停止処分にしました。これはJBCのルールであり、彼は1年間日本で試合を行うことが出来ません」と発信したという。 この厳格なJBCの対応を受け、フィリピン国内でもカシメロへの風当たりは強まっている。日刊紙『The Philippine Daily Inquirer』は「リング上で紛れもない技術とパンチ力を見せつけたが、カシメロの将来性は悪評と計量を失敗する癖のせいで不透明なままだ」と指摘。本人が「カモン!」と煽り続ける井上との対戦にもシビアな意見を寄せた。 「カシメロはイノウエと戦うことを声高に主張し続けている。彼は今もすべてが自分の思い通りにいけば、“モンスター”に挑戦して勝てると考えている。対戦を望むことと、それを両陣営間で交渉を機能させることは全く別の話だ。両者の差は埋められないほどに広まっている」 自身の蛮行によって評価を下げ続けるカシメロ。いまや井上との一大決戦はおろか、プロボクサー人生も危機的状況となっている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]