「沖縄県民の心踏みにじった」 辺野古、石材投入に抗議行動
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の大浦湾側で10日、石材の投入が始まった。「県民の心を踏みにじる行為だ」。選挙や住民投票で示されてきた反対の民意を顧みないまま、急ぐように工事を進める国に対し、住民らは現場周辺や海上で抗議の声を上げた。 10日正午過ぎ、曇り空の下、大浦湾に浮かべられた台船上で2台のパワーショベルが石材を持ち上げ、穏やかに波が立つ青い海に投入していった。現場の様子は台船で遮られ、陸上からはほとんど見えない。すくい上げられた石材から土ぼこりが舞うのが確認できるだけだった。 周辺には抗議船が近づき、乗船者が「新基地NO」と書いたプラカードを掲げた。警戒に当たる海上保安庁の船が制限区域から離れるよう繰り返し求めていた。 現場に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前では約30人が「大浦の海を壊すな」「工事をやめろ」と、拳を振り上げた。 同県北中城村の無職宮平光一さん(77)は「沖縄と対話せず、工事を強行する国の態度は許せない」と声を振り絞った。