1500馬力オーバーのケーニグセグ「レゲーラ」のほぼ新車が4億円弱で落札! でもプレミアムはほぼゼロ!?
新車からワンオーナーの「レゲーラ」登場
2024年1月31日、RMサザビーズがフランス・パリで開催したオークションにおいてケーニグセグ「レゲーラ」が出品されました。80台限定で注目を集めたレゲーラの新車価格は当時のレートで2億円オーバーとも伝えられた同車が、どんなクルマか見ていきます。 【画像】もう2度と新車では購入できない!ケーニグセグ「レゲーラ」を見る(全49枚)
EV走行も35kmが可能
現在でこそ、PHEVのシステムを搭載したハイパーカーは珍しい存在ではなくなったが、2015年のジュネーブ・ショーで、スウェーデンのケーニグセグがV型8気筒ツインターボエンジンに3基のエレクトリック・モーターを搭載したPHEVの「レゲーラ」を発表した時の衝撃は、ハイパーカー・マニアならずとも相当に大きなものであったはずだ。 この段階ではあくまでもコンセプトカーとして出品されたレゲーラには、はたしてそのプロダクション化が可能であるかどうかの議論も多々あったが、ケーニグセグはなんと翌2016年の同じジュネーブ・ショーで、ほぼプロダクション仕様に等しいとするレゲーラをあらためて発表。限定80台という生産計画をもこの場で宣言してみせた。 レゲーラのボディデザインは、それまでのモデルと同様に水中生物をモチーフとしたもので、左右のドアはディヘドラル・シンクロヘリックスと呼ばれる、独創的な回転式である。ボディ素材はモノコックと同様にカーボンファイバー製で、ルーフは取り外しが可能。オープン時にはそれをフロントの収納スペースに格納することができる。 ボディサイドはリアに向けて強く絞り込まれるデザインで、左右に盛り上がったルーフとともに、ここからエアロダイナミクスの優秀さを十分に想像させる。格納式のリアウイングなどとともに、美しさと機能性が両立した、これもまた北欧デザインのひとつの例といってよいだろう。 ケーニグセグ自身がKDD(ケーニグセグ・ダイレクト・ドライブ)と呼ぶPHEVのシステムは、基本的にはプロトタイプと同様だった。すなわち3Dプリンターで製作されたツインターボによって過給される5LのV型8気筒エンジンと、3基のエレクトリック・モーターがパワーユニットの全体像で、モーターは、1基はクランクシャフトと同軸に、残りの2基は左右の後輪を各々駆動するために機能する。 システム全体では1500ps以上の最高出力が得られると同時に(単純にエンジンと3基のモーターの最高出力を加えると、その数字は1800psになるが)、ゼロ・エミッションのEV走行も35kmを可能にしたのだから、見る者に未来のハイパーカー像を直感的に想像させる存在だった。