ドラマ出演も話題・宇垣美里が語る前向きに生きる秘訣「この仕事で傷ついた時期もありました」
主演を務める田中美久と親交
撮影現場では、主演を務める田中美久と親交を深めた。連続ドラマ初主演のプレッシャーと戦う田中に対し、「私が守らなきゃ」という感情があったそう。クランクアップの翌日には一緒に鍋料理を食べに行き、互いにねぎらい合った。 「田中さんのことは『なんて可愛いんだろう!』と思いながら見ていました。いつも明るく元気で、いるだけで現場が華やぐんです。それでいて、まだお若いのに周囲への気遣いを欠かさない。そして役に入り込んだ瞬間、一気に怖くなる! 田中さんが演じる由良は可愛くて怖くて危うさもあって、魅力的だなと感じました。 私は長女だからか、自分より年下の女の子は全員『守らなきゃ』と思うんですけど、特に田中さんは現場で一生懸命頑張っているし、『宇垣さん、宇垣さん』と慕ってくれるから『もう絶対守る!』と(笑)。『ご飯に行きたいです』と言ってくれたのもうれしくて、一緒に食事に行って楽しい時間を過ごしました」 「昔から、誰かが楽しくなさそうにしていたり居心地悪そうにしていると不安になってしまうんです」と語る宇垣。共演者と良好な関係を築き、現場の雰囲気を作ることも自身の役目だと考えている。 「演者であろうがスタッフさんであろうが気に掛けて、楽しい現場にしたいな、って。年上の人がピリピリしていたら怖くないですか? 誰かが委縮しているような現場は精神衛生上よくないし、現場の空気を作るのは年長者の役目だと思っているので。私も年齢的に後輩も増えてきて、1人の年長者として現場を作る責任は大きくなってきたなと感じています」 本作では「いつか素敵な王子様が現れる」という“シンデレラコンプレックス”を抱えた女子高生・由良によって、想像を超える残酷な手口で陽介・舞夫婦が追い詰められていく様子が描かれる。
自分のことを「ハッピーでネアカな性格」と分析
「台本を読んで、由良と陽介に対して『悲しいな』と感じました。由良は自信のなさが攻撃性につながっていると思ったし、陽介は高圧的に育てられたことで歪みが生じたのかな、って。心に穴を持つ2人を見て『ここまで攻撃的にはならないけど、気持ちはちょっと分かる』という方はいっぱいいらっしゃると思います。 ただ私の場合、そんな心の穴は感じたことがなくて。こういう仕事をしているといろんなことを言われるし傷付いた時期もあったんですけど、親しい友人が『それは気にしなくていい』と言ってくれたり、妹が『大丈夫だよ。世界で一番みーちゃんが可愛い』と言ってくれるおかげでもう他の言葉は入ってこなくなりました。身近に全肯定してくれる存在がいるからこそ、私は由良や陽介のような深淵に落ちなかったんだろうなと思います」 宇垣は自分のことを「ハッピーでネアカな性格」と分析する。コンプレックスに縛られず自己肯定感を上げて前向きに生きるための秘訣を、最後に彼女に尋ねてみると――。 「私はせっかちで、無駄なことが苦手なんです。だから、『私なんて……』と思うことに対して『その悩み、生産性ある? 時間の無駄じゃない?』って思っちゃう。1時間くらい考えて解決しないのなら、もう考えても仕方ないから寝たほうがいいと思うし。そもそも、寝て忘れるようなことなら最初から考えなくていい。 あと、自分に対するハードルを低くしておくのも大事かな。私は朝ちゃんと起きられただけで『私、えらい!』って思う性格(笑)。それこそ『今日上手にマスカラが塗れた。私すごい!』『なんとなく入ったお店が美味しかった。私嗅覚よすぎ!』『原稿の締め切りを守った。私えらい!』とか。締め切りを守るなんて当たり前なんですけど(笑)。大きな成功体験を得るのは簡単じゃないけど、小さな成功を積み重ねて自分をたくさん褒めることで自己肯定感は高まるんじゃないかなと思います」
左藤 豊