【8月15日は年金支給日】厚生年金「ひと月30万円超もらえる羨ましい人」は何パーセント?
「老後2000万円問題」という言葉がまだ記憶に新しい方もいるでしょう。2019年に金融庁のレポートにおいて「標準的な高齢夫婦世帯が老後30年間を過ごすには、年金以外に約2000万円の老後資金が必要である」という試算が公表されて話題となりました。 ◆【図表】一目でわかる《公的年金のしくみ》&《老齢年金の個人差》(出所:厚生労働省など) 2024年現在、物価上昇や円安が私たちの生活に大きな影響を与えています。この先もインフレが継続した場合「2000万円では足りない」という声も聞こえますね。 7月26日総務省が発表した東京都区部の消費者物価指数は前年同月比で2.2%の上昇(※1)。前年を上回るのは35カ月連続です。 また、帝国データバンクの調査(※2)によると、8月の値上げは642品目。チョコレート・アイスの値上げが続き、秋には半年ぶりの値上げラッシュが起こるとの見通しも出ています。 止まらぬ物価上昇が世代を超えた家計を圧迫するこんにち。現役時代よりも少ない金額で家計のやりくりをする年金世代にとっては特に厳しい状況が続きます。 また、働き盛り世代の中には、日頃の家計管理や遠い将来へに向けた資産形成を、これまで以上に意識する人もいるでしょう。 今回は、老後に向けた資産づくりを行う上で大切な「年金」についてのお話です。 公的年金のしくみをおさらいした後、今の年金世代がの受給状況を厚生労働省の資料を基に確認。ひと月30万円の厚生年金を受け取る人の割合も見ていきます。 ※1 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2024年(令和6年)7月分(中旬速報値)」(2024年7月26日) ※2 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2024年8月 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金制度は2階建て「厚生年金+国民年金」
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2種類の年金制度から成り立つ2階建て構造。それぞれの違いを確認しましょう。 ●国民年金(1階部分) ・加入対象: 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員 ・年金保険料:全員一律 ・老後の受給額: 年金保険料を納付した期間に応じて決まる 国民年金は全ての国民が加入義務を持ち、一律の保険料を支払います。納付期間に応じて、将来受け取る年金額が決まります。 ●厚生年金(2階部分) ・加入対象: 公務員や会社員などのサラリーマン ・年金保険料: 収入に応じた額(上限あり) ・老後の受給額:年金加入期間と納付額に応じて決まる 厚生年金は主に会社員や公務員が加入し、収入に応じた保険料を支払います。加入期間や納付額によって、将来受け取る年金額が変わります。 ●年金受給額の個人差 日本の年金は2階建て構造。現役時代の年金加入状況や年金保険料の納付期間などにより、老後の受給額には大きな差が生じます。 特に厚生年金は、収入に応じた保険料を納付するため、現役時代の収入が高いほど将来の受給額が増える傾向にあります(後述)。