やり直し裁判が始まる 法廷で「よっしゃー!」と喜んだ「アポ電」強盗犯 一審判決が見誤った“酌むべき事情”
量刑理由で述べられた「酌むべき事情」
このように、弁護側の主張が全面的に認められた判決だった。無期懲役と有期刑は雲泥の差である。 「現在の運用では、無期懲役に処せられると、少なくとも30年を経過しないと仮釈放の対象とはなりません。仮釈放は申請したからといって簡単に認められるものではなく、日弁連は“無期懲役は事実上の終身刑”と批判しているくらいです。一方、有期刑の場合、模範囚であれば3分の2くらいの刑期で仮釈放を得られる可能性があります」(司法関係者) だからこそ、須江被告は「よっしゃー」と叫んだのだろう。 守下裁判長は須江被告に対し、“酌むべき事情”として、次のようにも述べていた。 「罪を認め反省の弁を述べており、一定程度内省を深めていることがうかがわれる。強盗致死の被害者遺族に被害弁償を申し入れている」 だが遺族は、須江被告が見せた態度から反省の情を感じただろうか。28年という刑期で、この男が更生し、社会復帰できるとは到底思えない。
【「アポ電強盗致死」やり直し裁判 3年半前に「よっしゃー!」と叫んだ被告は“オシャレ髭”を生やして傍聴席にガン飛ばし…検察は「今度こそ無期懲役を」】では、9月10日に開かれた差し戻し審初公判に現れた3被告の様子を詳しく報じている。
デイリー新潮編集部
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