何と読むでしょう?日本を代表する“難読”名字「小鳥遊」
難読名字:小鳥遊(たかなし)
日本を代表する難読名字の1つ「小鳥遊」。 以前は誰も読むことができない難読名字の代表でしたが、雑誌やWEB記事の「難読名字」特集などでよく紹介されるのと、近年は筆名として使用している人もいる他、マンガの登場人物の名字としても使われているため、読める人もかなり多くなりました。 「小鳥遊」は言葉遊びから生まれたものです。小鳥のように弱い鳥はタカなどの猛禽類がいると危険なため遊ぶことができません。しかし、タカがいないと小鳥でも自由に遊ぶことができるということから、「小鳥遊」と書いて「たかなし」と読みます。 この名字、もともとは普通に「高梨」と書いていたと思われます。江戸時代以前は自由に名字を変えることができたため、分家したり、他の土地に移り住んだ際に名字の漢字を変えることがよくあったのです。 おそらく「高梨」さんから分家した人が、漢字を変更する際にこの「小鳥遊」という書き方を採用したものと思われます。 現在は和歌山県の那智勝浦町にごくわずかだけあります。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
家庭画報.com