英探検家シャクルトンの最後の乗船、カナダ沖海底で発見
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【6月14日 AFP】英国人探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)の最後の遠征に使われたクエスト(Quest)号が、カナダ東部沖の大西洋で見つかった。王立カナダ地理学会(Royal Canadian Geographical Society)が12日、発表した。 シャクルトンは1921年、蒸気機関を備えた木造のスクーナー船であるクエスト号で最後の南極遠征に出発したが、翌22年、南大西洋のサウスジョージア(South Georgia)島沖に停泊中に心臓発作を起こし死亡した。47歳だった。 クエスト号はその後、別の遠征船や北極圏での救難船などとして使われた後、本来の用途であるアザラシ猟船として利用されていたが、1962年、ニューファンドランド(Newfoundland)島沖で流氷に衝突し、沈没した。ノルウェー人の乗員は全員、無事だった。 調査団は今回、ソナーを使って探索していたところ、9日にクエスト号の画像を捉えた。カナダ地理学会のジョン・ガイガー(John Geiger)会長は記者会見で、クエスト号はラブラドル海(Labrador Sea)の水深390メートルの地点で見つかったと語った。 沈没船ハンターとして知られるデービッド・マーンズ(David Mearns)氏はクエスト号の画像を示し、海底に上向きで「ほぼ損傷がない」状態で沈んでいると説明。ただ、メインマストは船体から離れた場所にあると話した。年内にさらに調査し、撮影を試みる計画という。 映像は王立カナダ地理学会より提供。(c)AFPBB News