北朝鮮が人工衛星打ち上げ予告 海域に警報、日米韓が中止要求
日本政府は27日未明、北朝鮮から「人工衛星」打ち上げの通報があったと明らかにした。海上保安庁は同日午前0時から6月4日午前0時までの間、朝鮮半島西側の黄海2カ所とフィリピン・ルソン島東方の海域に航行警報を発表した。部品の落下予測地点と思われ、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外。人工衛星は軍事偵察衛星とみられる。日米韓3カ国は北朝鮮に打ち上げ中止を求める方針で一致した。 岸田文雄首相は韓国で開かれた日中韓首脳会談で「発射を強行すれば国連安全保障理事会決議違反であり、北朝鮮に対し強く中止を求める」と強調した。林芳正官房長官は記者会見で、北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮側に中止を申し入れたと明らかにした。 首相は通報を受け(1)情報収集・分析に万全を期し、国民に対して適切に情報提供を行う(2)米韓など関係諸国と連携し、発射しないよう強く中止を求める(3)不測の事態に備えて万全の態勢を取る―との対応を関係省庁に指示した。首相官邸の危機管理センターで情報を集約し、関係省庁会議を開き、対応を確認した。