「進次郎氏は“経験不足の天才子役”」「石破氏は“仲間のいない政策通」 総裁候補筆頭二名の戦局の行方は【総裁選】
決選投票はどうなるのか
一方、ほかの候補者たちはというと、 「残りの約180票の党員票を取り合う形になりますね。仮に8名が出馬したとして、先の2名を除く6名が“均等”に分け合うと想定すれば、1名あたり30票ほど。これに推薦人の20票を足しても50票にしかなりません。また、議員票についても、367票から推薦人20名×候補者8名分の160票を差し引いた約200票を8名全員で奪い合う形になる。これでは議員票で差がつくことはなさそうです」(同) その結論はこうなる。 「1回目の投票では基礎票が多い小泉氏と石破氏が優勢。二人が1、2位で通過するとみられます」 では2回目、すなわち決選投票はどうなるのか、先のデスクによると、 「議員票367と都道府県連票47の計414票を争うことになりますが、1回目と違って議員票の比重が極めて大きい。彼ら議員の支持いかんで、勝者がほぼ決まります」
「小泉氏は“天才子役”」
だが、これぞまさに悩みどころなのである。小泉氏か石破氏か――。ベテラン議員の「どっちもどっち」という弁に、党内の意見は集約されていそうだ。 「進次郎くんは気のいい若者だけど、国家観や歴史観は聞いたこともないし、だいたい習近平やプーチンと渡り合っていけるのか。石破さんも政策通だというものの、財政再建派でしょ。景気浮揚そっちのけじゃ困っちゃう。外患か内憂かの選択だよ」 政治アナリストの伊藤惇夫氏が両氏を評するには、 「小泉氏は見栄えもよくて刷新感があり、総選挙の顔としては最適ですが、閣僚経験が環境相だけ。安保や外交面のみならず、経済面の知識・経験不足も指摘されます。私は昔から小泉氏を“天才子役”と呼んできましたが、依然として“大人の名優”と呼べるレベルではありません」
“仲間のいない政策通”
次は石破氏。 「小泉氏に比べて安保・外交面での知識・経験は豊富。でも、本人が自覚する通り周囲に仲間がおらず、党内に支持者がほとんどいない。仮に総理総裁になっても、足を引っ張る人間さえ現れそうです」 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏の見方はやや異なる。 「小泉氏の経験不足が言われていますが、安保・外交に限って言えば、秋葉剛男(たけお)国家安全保障局長を留任させれば大きな問題は起きないはず。その面は現在、秋葉氏がしっかり一人で支えているようなものだからです。むしろ石破氏のほうが独自色を出そうとし、混乱を招きかねません」 見栄えだけで“経験不足の子役”と、自負は強いが“仲間のいない政策通”。たしかに究極の選択ではあろう。