ネスカフェが詰め替えパックを刷新、「楽しむエコ」とは
■コーヒー生産の危機「2050年問題」
今、ネスカフェが取り組む社会課題は、「コーヒーの2050年問題」だ。コーヒー栽培に適した土地は、北緯25~南緯25度に限られている。気候変動の影響で、コーヒー栽培に適した土地が最大で50%減ることが予測されている。さらに、コーヒー農家の約8割が、貧困状態にもある。 人口が増え、コーヒーに依存する人が増えていくと、2050年にはコーヒーが飲めなくなる日が訪れるかもしれない。ネスカフェでは、この問題に対応するため、「ネスカフェ プラン2030」を掲げた。 2025年までにグローバルで、100%責任ある調達に切り替え、再生農業を通じたコーヒー豆を20%調達する。30年までに、この割合を50%に高め、温室効果ガス排出量の半減を目指した。この目標を達成するために、10億スイスフランを投じる。 この一環で、ネスカフェは2023年秋から、ブランドコンセプトを「Make your world」に変えた。調達から消費、廃棄までの各工程でサステナビリティを重視した。 すでに、ネスカフェで使うコーヒー豆は100%責任ある調達基準を満たしており、製品パッケージのプラスチック使用量の削減にも努めてきた。廃棄したパッケージで、新たな製品を開発するアップサイクルにも取り組む。
■ネスカフェをマイバック、マイボトルの次のサステナアクションに
ネスカフェはブランドとしてあるべき姿を、「そのコーヒーは、あなたをちょっとだけヒーローにする」を掲げる。 中西氏はその意味をこう説明した。「若い世代から選んでもらうためには、機能面だけでなく、情緒的な結びつきが重要だ。サステナビリティの社会をともに目指すことで、その結びつきが生まれる」。 「ネスカフェを飲むことをマイバック、マイボトルの次の具体的なサステナアクションにしたい」と意気込む。