<解説>動く実物大ガンダム 復活、さらなる進化に期待
高さ約18メートルの動く実物大ガンダムを設置する横浜・山下ふ頭のGUNDAM FACTORY YOKOHAMA(GFY)が3月31日をもって営業を終了した。GFYは、2020年12月19日にオープンし、2022年3月に終了予定だったが、継続を望む声も多く、公開期間が2度延長され、約3年3カ月で約175万人が来場した。最終日に開催されたイベント「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA GRAND FINALE ~To the New Stage~」で、“ガンダムの生みの親”の富野由悠季監督が「子供たちが本当に喜んでくれて、こういうものを自分たちも追いかけるぞ!という顔を見せてもらった。そういう会場を設けてくれたことは、本当にうれしいと思います」と語っていたことが印象的だった。動く実物大ガンダムを通じて、ものづくりを学んだ子供も多かったようだ。 【写真特集】“最後の起動実験” 1000機のドローンが描くエアリアル、フリーダム ラストシューティング、シャアザクも 写真を一挙公開
◇子供の社会科見学
実物大ガンダムを動かすプロジェクトは、2014年に「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」として始動した。ガンダムが人類とスペースノイドの戦いをくぐり抜け、機体は失われたと言われていたが、山下ふ頭近郊でパーツが大量に発見され、エンジニアたちが研究、分析、再構築した……という設定。
実現可能性、安全性、デザインなどを考慮して、研究者、エンジニアなどが検証、設計した。腕や脚が可動し、歩行しているかのような動き、両腕を上げるポーズ、腰をわずかにかがめ、少し上を向く発進ポーズ、名シーンのラストシューティングをイメージして右腕を上げるポーズなどが可能。
GFYでは、小中学生を対象に、動く実物大ガンダムの仕組みを学ぶ教育プログラム(社会科見学)を積極的に実施していた。2022年に横浜市内の小学生の社会科見学の様子を取材した際、動く実物大ガンダムの重量は約25トンで「小学生862人分」と例えるなど子供にも分かりやすく説明しつつ、専門性の高い構造、プログラムなどについても解説していた。