思い出の地で華麗なアシスト。甲府育ちの川崎SBファンウエルメスケルケン際が小瀬で示した成長の証し【ルヴァン杯】
後半頭から登場
[ルヴァン杯・準々決勝・第2戦]甲府 1-1 川崎※トータルスコア1-2で川崎が勝ち抜け/9月8日/JIT リサイクルインク スタジアム 【動画】甲府×川崎ハイライト 9月8日にルヴァンカップ・準々決勝の第2戦が行なわれ、後半アディショナルタイムに劇的な同点弾を奪ったJ1の川崎がトータルスコア2-1(第1戦は川崎が1-0で勝利)で、J2の甲府を下した。 川崎は31分にCKから失点し、その後は反撃に出るも、チャンスを決め切れない展開。しかし、後半アディショナルタイム、川崎を救ったのが途中出場の遠野大弥であり、右SBのファンウェルメスケルケン際だった。 右からのファンウエルメスケルケンの弾道の低いクロスに遠野がニアでダイビングヘッドで合わせ、貴重なゴールを決めてみせたのだった。 劇的な得点を好クロスで演出したファンウエルメスケルケンは甲府のアカデミー育ち。トップチームを経由せずにオランダへ渡り、長年、異国の地で自らを磨いてきた。 そして今季、30歳になるシーズンで初のJリーグ挑戦として川崎に移籍。右SBとして気の利いた守備と、鋭いクロスでチームにプラスアルファをもたらし、川崎のスタイルにも順応。 この日はベンチスタートだったが、後半頭から送り出されると、「アキくん(家長昭博)のところとサイドバックだったり周りの連係の部分が上手く回っていないなと感じていた」と、臨機応変なポジショニングでポゼッションに加わり、相手のカウンターも防ぐなど攻守で存在感を発揮。学生時代を過ごした地で成長した姿を見せた。 「まず第1戦目からチャンスはそこからできていたとのイメージがあり、一戦目に関してはそこまでクロス上がっていなかったので、自分が入ったら上げようと思っていました。1本、2本上げた時に自分の感覚も良かったですし、自分が持った時に中が動いてくれる感覚があったので、チャンスがあれば狙っていこうと。中が良いタイミングで走ってくれたので、良いところに上げることはできましたが、あれをヘディングしてくれた(遠野)大弥に感謝です」 そうアシストシーンも振り返る。 甲府のホームである小瀬(JITリサイクルインクスタジアム)のピッチに立つのは高校生以来だという。 「最後のここでの試合が、クラブユース(Jユースカップ)でのフロンターレとの試合で、その時は個人的に結果は良かったのですが、逆転負けしたので、不思議な感覚だったんですが、今日は逆の立場になったので勝てて良かったです」 育った場所での記念となる試合での活躍。甲府への感謝も胸に抱き、多くの人にとっても思い出のゲームになったに違いない。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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