メジャー全球団アリゾナ集結シーズン実施計画は不可能?!米メディアの暴露報道をMLBが公式に一部否定
ニューズデイ紙は、「選手代表の1人は、『選手会は確かにすべての提案に対して“耳を傾けた”。だが、選手会のリーダーがアリゾナ計画を“受け入れた”としたESPNの報道は正しくない』と語った」と伝えた。また「実現への障壁となる問題が多く、この計画を選手会が受け入れる可能性はなさそうだ。シーズンをプレーするために約4カ月間も家族から隔離されるということは大多数の選手たちが賛成するものではないだろうと、選手代表(の1人)は話している」ともつけ加えた。 ニューヨークポスト紙も「実施不可能」の見解。「フィリーズやエンゼルスといった球団が新型コロナウイルスの接触感染の可能性がゼロに近くなるワクチンができるまで参加することを拒否した場合はどうなるのか」、「選手たちには、どのように給料が支払われるのだろうか。チケット、特別ボックス席、売店、駐車場(の収益)などがなければ、MLBは今シーズンに相当の収益を失うだろう」、「(感染の)何パーセントのリスクを受け入れられるだろうか」、「選手、コーチ、クラブハウス従業員などの関係者に1人でも陽性反応が出たらどうなるのか」、「15あまりあるフィールドでの試合の準備をするのにどれだけの人数が必要かを考えてみよう」などと様々な問題点を指摘した。 「試合を行うというだけで多くのポジティブな面があるが、野球は指を舐め、唾を吐き、握りを良くするために汗に手を伸ばしたりすることが多くあるスポーツだ。しかもボールは共有される。誰かがユニホームを手に取って洗わなければならない。これらは問題の核心になってくるだろう」と、新型コロナ感染のリスクが消えないことを理由に付け加えた。 USAトゥデイ紙は”アリゾナ計画”が実現不可能である理由として経済面を挙げた。 「この交渉を最初に難航させるものは金だ。MLBオーナーの2人は、USAトゥデイスポーツの取材に対して、『もし無観客試合を行うのであれば、選手たちが、40%程度の大幅な年俸削減を飲まなければ承認されることはない』と語った。なぜか。スタンドに観客を入れず、駐車場や売店収益がなければ、昨年にMLBが得た107億ドル(約1兆1600億円)のうち、40億ドル(約4400億円)が無になるからだ」 無観客試合の収入源を問題視した。 また同紙は、「MLBと選手たちは、この夏にシーズンを始めたがっている」とし、9月開始の3カ月のトーナメント、来年2月のスプリングトレーニングの開始前の何かしらのイベントなどを検討してきたことを明かした。 前述したニューヨークポスト紙によると、この“アリゾナ計画“の概要を作った関係者は、「この計画は不完全で不可能かもしれない。だが、何かを考えなくては2020年に野球がなくなるかもしれないのだ。すべての可能性について検討すべきだろう」と語ったという。 新型コロナの猛威にメジャーリーグも追いつめられている。