どら焼きとショートケーキ、血糖値スパイクを起こしやすいのはどっち?
甘いもの、炭水化物……。「血糖値スパイク」は動脈硬化のリスクを高め、最悪の場合、死を招く。 【写真あり】腕に装着する装置とアプリをリンク。血糖値計測が可能に 「米やパンなどに含まれる糖質は、体内でブドウ糖になり小腸で吸収され、血糖として各臓器に運ばれます。それにより食後に血糖値が正常値を超えて急激に上昇し、数時間後に元に戻る現象を、食後高血糖である『血糖値スパイク』と呼びます。それは糖尿病だけでなく、血管にダメージを与え心筋梗塞や脳卒中をも招くのです」 とはAGE牧田クリニック院長の牧田善二院長。 血糖値スパイクは死亡リスクを上げる。予防には“糖質オフ”があるが“糖質がやめられない”という人も少なくない。 「血糖値スパイクを防ぐには、食後血糖値をなるべく低く、ゆっくり上昇させること。糖質の性質を知ったうえで上手に付き合っていきましょう」(牧田先生、以下同) そこで、1分ごとに血糖値を測定する「FreeStyleリブレ2」(アボット社)を使い、同じタイミングで迷いがちな、血糖値の上がりそうな食事同士で比較してみた。上がりやすいのはどちらだろうか。 【1】「炊きたてごはん」と「冷凍からレンジでチンごはん」→上がりやすいのは「炊きたてごはん」 白米ごはん1膳(150g)には55.2gの糖質が含まれているが、冷えることで変化が生じるという。「冷えることでごはんに『レジスタントスターチ』という物質が増えます。その物質に、血糖値を上がりにくくする作用があるのです」 【2】「バター付き食パン」と「ジャム付き食パン」→上がりやすいのは「ジャム付き食パン」 バター(脂質)は糖質よりも吸収に時間がかかる。食パン(6枚切1枚)の糖質量は26.6gだが、バターでコーティングされると血糖値の上昇は緩やかになる。ジャムは大量の砂糖を使っているから、高血糖になる可能性が高い。 【3】「塩むすび」と「チャーハン」→上がりやすいのは「塩むすび」 カロリーが高いチャーハンだが血糖値はさほど上がらなかった。「米粒に油がコーティングされているため糖が吸収されづらくなり、血糖値の上昇は緩やか。塩むすびはヘルシーですが、すぐに吸収され血糖値は急上昇します」 【4】「かけうどん」と「肉うどん」→上がりやすいのは「かけうどん」 脂質同様にタンパク質も消化吸収に時間がかかる。糖質を単体で食べるよりも血糖値は急上昇しない。かけのほうがダイレクトに上がりやすい。ただし、タンパク質でも、天ぷらは衣が糖質なので注意が必要だ。 【5】「フィッシュバーガー」と「ハンバーガー」→上がりやすいのは「フィッシュバーガー」 白身魚は体によさそうとチョイスしたが、衣をつけて揚げていることとタルタルソースの影響か、ハンバーガーのほうが血糖値の上昇は抑えられた。 【6】「カルボナーラスパゲッティ」と「トマトソーススパゲッティ」→上がりやすいのは「カルボナーラスパゲッティ」 ゆでパスタ150gの糖質量は47gだが、ソースによって変化が。「血糖値の急上昇を抑えるには血糖値を上げにくくする食材と組み合わせるのがコツ。トマトのリコピン、オリーブオイルのオレイン酸には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります」