ドーピング問題のシフィオンテクについてロシアの元1位が持論「彼女はそれによって崩れてしまうような気がする」<SMASH>
テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」によるイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランク2位)の出場停止処分の発表以来、その寛大な裁定に対して様々な声が上がっている。そうして彼女のドーピング報道が続く中、目前に迫った新シーズンのシフィオンテクを不安視したのが元世界女王ディナラ・サフィーナ(ロシア)だ。 【動画&画像】シフィオンテクが公開したドーピング騒動に関する説明 サフィーナはかつて、ウィリアムズ姉妹や、アメリ・モーレスモ、ジュスティーヌ・エナン、マリア・シャラポワ、キム・クリステルスらと鎬を削り、四大大会で3度決勝に進出。メジャータイトルには手が届かなかったものの、2009年に世界ランキング1位に到達し、兄マラト・サフィンとの兄妹世界1位を達成した実力者だ。 背中のケガのため、20代半ばで引退したサフィーナは、シフィオンテクがもう以前のような選手ではないかもしれないと考えているようだ。ロシアメディア『Championat』の「Bolshe! Live」で次のように語った。 「イガを見るのは興味深い。なぜか、彼女は(自分の感情を)見事に隠しているように思えるから。彼女はまるでロボットのように感情を表に出さずコートに立つ。でも、何か問題が起きると、彼女はそれによって崩れてしまうような気がする。外から見ていると、全てがあまりにも人工的で、プロフェッショナルすぎるように思える」 今回のドーピング事件は、あまりにも完璧だった彼女にとっては崩壊のきっかけになりかねないというのだ。 当のシフィオンテクは処分発表後に公開した動画のなかで、一連の問題を「人生で最も厳しい戦い」と表現し、その過程で大きなストレスと不安を感じていたことを告白している。 「涙がたくさん流れ、眠れない夜もたくさんありました。一番ひどかったのは不確実性でした。自分のキャリアがどうなるのか、どんな結末を迎えるのか、そもそもテニスをプレーすることが許されるのかどうかもわかりませんでした」 シフィオンテクはすでに1カ月の出場停止期間を終えており、今月末に迫った2025年シーズン開幕から出場可能だ。また、今秋からチームに加わった大坂なおみの前コーチ、ウィム・フィセッテ氏とのタッグにもすっかり慣れていることだろう。 知将フィセッテ氏はすでに、彼女のプレーを向上させ、クレー以外でもさらに大きな脅威となるようサポートするプランがあると述べている。果たして、新シーズンのシフィオンテクはどんなパフォーマンスを見せるのだろうか。 構成●スマッシュ編集部