原爆死没者名簿に名前記す「筆耕」担当者の書道展、長崎市で始まる…被爆者が残した言葉など30点展示
原爆死没者名簿に被爆者の名前を記す「筆耕」を担当する書道講師の森田孝子さん(76)(長崎市)の書道展「平和への願いを書に託して~被爆79年 長崎から~」が2日、長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で始まった。7日まで。 【写真】被団協の代表委員・田中重光さん、ノーベル平和賞授賞式に出席へ
森田さんは被爆者の両親を持つ被爆2世で、2002年から筆耕を担当。12年から毎年、平和をテーマにした書道展を開いてきた。会場には、被爆者が残した言葉や、被爆者がつくった川柳、短歌などをしたためた作品約30点を展示している。
オープニングイベントには、今年新たに短歌が引用された被爆者の六田正英さん(91)(長崎県大村市)が出席した。六田さんは12歳の時、爆心地から約1・6キロで被爆。直前まで一緒にいた親友2人を原爆で亡くし、原爆死没者名簿には同じ被爆者だった妻の名も記されている。作品には、亡くなった妻や親友への思いが込められており、「被爆者の言葉を見て、平和とは何かを考えて感じてもらいたい」と語った。
森田さんは「たくさんの被爆者の方々がこれまでに悲しくつらい経験をしてこられた。その思いを書に託して、一人でも多くの人に伝えたい」と話している。