大勢のファンが詰めかけた津山文化センター

　お帰りなさい―。人気ロックバンド「B'z」のボーカルで岡山県津山市出身の稲葉浩志さんの単独ライブが13日、同市山下の津山文化センターで行われた。2017年7月以来、約7年ぶりの本格的な凱旋（がいせん）ライブで全国から訪れたファンがロックスターの地元ステージに熱狂し、市民も心を込めたおもてなし活動を展開。“稲葉効果”で真夏の津山が熱く盛り上がった。14日も開催される。 【動画】“稲葉効果”で熱く盛り上がる津山の様子はこちら 　会場は午後6時の開演前から公式グッズを買い求める長い列ができた。約千席のチケットを入手できなかったファンも詰めかけ、開演後はわずかな響きだけでも味わえたらとガラス窓に耳を当てる姿が見られた。 　ライブを聴いたファンによると、稲葉さんは何度も「津山」と叫び、映画やヒーローショーで同センターに通った幼い頃の思い出を語ったという。同市、会社員の女性（44）は「郷土愛とともに稲葉さんの全てを感じられたステージ。心が震えた」と喜んだ。 　市と民間でつくる「おもてなしプロジェクト実行委」は会場近くで飲食屋台やカラオケ大会などのイベントで歓待し、熱中症対策グッズも配った。近隣商店街では稲葉さんにまつわる品々の展示会が開かれ、人気を集めた。 　ゆかりの地を訪ねる「聖地巡礼」もピークに。実家のイナバ化粧品店（同市川崎）は午前8時半から行列ができ、母校の津山高（同市椿高下）で記念撮影を楽しむファンもいた。 　津山旅館組合（市内10社）などによると、ライブの影響で市内宿泊施設はほぼ満室状態という。母の邦子さん（87）は「稲葉浩志への愛に大感謝。津山で良い時間を過ごしてほしい」と話した。