2024年新しい“パン飲み”という楽しみ。「Cise(チセ)」(根津)。話題の谷根千エリア楽しむ最高のビストロとパン
いい雰囲気は、いい人柄と空気感から生まれる
オーナーの宮武さんは大阪の辻調理師専門学校を卒業後、神戸のイタリアンから料理人としてキャリアをスタート。その後は産地直送の野菜をふんだんに使う有名店「Coulis(クーリ)」(新富町)で経験を積み、その時にパンを焼いて料理をしてという経験から、自身のお店も自然とパンに寄っていくことになったそう。またソムリエの資格を取るほど、ワインが好きという宮武さん。料理もパンも、ワインに合うようなペアリングになっています。「Cise」ではお子様が生まれたばかりの奥様と一緒に、夫婦が好きなパンを焼き続け、そして夫婦が好きなワインと一緒に楽しめるお店づくりをされたそう。パン好きはもちろんのこと、このアットホームな空気感を楽しみに来る人も多いんだとか。店名の「Cise」の意味はアイヌ語で「家」という意味。店主のルーツのある北海道が語源。ネーミングの通り、まるで家にいるかのような雰囲気に、ついつい長居したくなるほど。
スペシャリテ「チャバタ」をはじめとする、高加水パンみずみずしさ
スペシャリテ「チャバタ」をはじめとする、高加水パンみずみずしさビストロでありながら、バゲットやフォカッチャ、食パンやチャバタなど食事に合うパンが日替わりで3~5品揃います。ディナーではパンの盛り合わせなども。テイクアウトもできるため、パンを買い求めに来る方も多いといいます。料理人とは思えない、レベルの高いパンの中でもこの店の名物は「食パン」そしてスペシャリテの「チャバタ」。食パンは北海道産小麦「キタノカオリ」を100%使用し、焼きあがったその食感はカリっもちっと。そしてチャバタはイタリア語で「スリッパ」の意味。撮影時にいただいたのは「青のり」で、小麦の香ばしさに青のりの風味が絶妙に合わさります。大きな特徴は食感にあり、高加水タイプの特有であるクラムの気泡が大きく、ほおばった瞬間はふんわり、そして噛むともっちりとした味わいに。噛めば噛むほど甘みを感じられる美味しさです。「もっと、そこにある水をパンに入れてもいいと思う。」パン作りにおいて試行錯誤をしていた宮武シェフに大きな影響を与えたのは、ベーカリー界の大御所である志賀 勝栄シェフ(シニフィアン シニフィエ)の言葉だったそう。実際にパンを食べていただいた志賀シェフからのアドバイスから「もっと加水していいんだ」と気づき、高加水パンへの探求が始まり、今に至るんだとか。もっちりしたパンは、料理や料理に添えられたソースとも相性がよく、みずみずしい食感の余韻はワインを邪魔しません。小麦の豊かな香りと余韻が、よりワインにマリアージュします。