全日本プロレスとアクトレスガールズの提携の影響は?『Evolution』中西光司代表が語る両団体との関係。「プロレス界から巣立っても生きていける“社会人”を育てる」という選手育成方針
――これはファンが一番気になっていることだと思うのですが、Evolutionはアクトレスガールズのことをどう思っているのでしょう 「あっ、やっぱそれ聞かれますよね(笑)簡潔に言うのはすごく難しいんですけど……一言で表すと『分からない』ですかねえ。元々Evolutionとアクトレスさんに接点があったわけではないですし、全日本さんとアクトレスさんが業務提携をしたことも、Evolutionにとって悪い印象になっているってことは正直無いです。アクトレスさんのことを詳しく知っていたら何らかの感情が生まれていたかも分からないですけど、『こういうことになったよ』と伝えられたときに、全日本プロレスさんがそうしたいと言うのなら僕らが何かを言う立場ではないので当時は素直に『分かりました』と受け入れました。今もその気持ちに変わりはありません。アクトレスさん側からウチになにか干渉してきているようなことって一切無いですし、アクトレスさんとの関係があるから全日本さんがウチに対して何かしらのことをやっているってことも無いですし、アクトレスさんとの関係があるからウチが引いてるということでも無いです。Evolutionとしては全日本プロレスさんを尊重して、全日本プロレスさんとの契約の中でお邪魔にならないように。ただ、その中でも道場を貸していただいていたりとか色々な部分で助けていただいているという、健全な業務提携が継続している形です」 ――アクトレスについては“面識のない友達の友達”といった感覚に近いでしょうか 「近いかもしれないですね。アクトレスさんのことはよく聞かれるんですけど、答えるのがすごく難しいんですよ。関わりが無いので色々聞かれても『分からない』としか言いようがないことが多くて。ただ、一視聴者としてはすごく華やかでいいなとは思いますよね。ウチがそうならなきゃいけないとかじゃなくて、ウチとは違う路線で見てる人を引き付ける魅力があるなとは思っています」 ■「経営陣がプロレスの中身を作ることなんて出来ない」――Evolution誕生の経緯と団体運営の考え方 ――旗揚げ1年目、デビュー1年目にしてEvo女の選手が色々な団体に出場しているのを見かけます 「いやあ、本当にありがたいですね。今やいろんな団体さんからお声がけいただけるようになって。一番最初に評価してくれて『この子いいよ』って引っ張ってくれたのが仙女さんやOZアカデミーさん、とにかくうちの子たちを引っ張ってくれていますね」 ――旗揚げ戦でデビューした初期メンの3人は、デビュー戦とは思えない完成度で出てきて驚きました 「それでも終わった後にプロデューサーのお2人から怒られてましたね(笑)まあ、そこで『良かったよ』って言ってしまうと停滞してしまうので、常にダメ出しされています。たまにガチダメ出しされて悔しくて選手が泣いてるのとかもありますね(笑)」 ――それが辛くてプロレスを辞めてしまうケースを多く見聞きする中、あの2人からのガチダメ出しを受けても泣きながら付いていくEvo女メンバーから凄まじい覚悟を感じます 「そこはありがたいなって。辞めずにずっと付いていくので。そこが諏訪魔さんと修司さんの上手さだと思いますね。僕ら経営陣はプロレスに関しては何も出来ないので、経営とかプロモーションは一緒にやっていきますけど、マッチメイクや練習に関しては一切口を出さずにお2人にお任せしています。逆に、そこに僕らが口を出したところで何も上手く行かないでしょう?(笑)」 ――そこを割り切って考えられるプロレス団体の経営者は中々いないと思います 「僕らはいい意味でプロレスをビジネスとして考えられているのかもしれませんね。僕らの役割っていうのは、選手たちが仕事としてプロレスが出来る環境を作り上げることだと思っているんですよ。僕らがプロレスの中身を作ることなんて、どうやっても出来ないんで(笑)お金を何処かから調達するのがメインの仕事です。来期には数社ほどスポンサーに入っていただけることになりまして。うちの会社も全部自前で出来るほど大きい会社ではないので、スポンサーさんを探して、スポンサーさんにどういうメリットを提供出来るかっていうのを考えていく仕事がメインです」 ――それは、大元となっている株式会社STATUSの考え方だと思います。そもそもステータス社はどのような会社なのでしょう 「ステータスの場合は広告の中でもセールスプロモーション(SP)の領域でエンドユーザーに対して何かしらの仕掛けをしていく分野になります。変わったところとしては派遣免許を持っていて、営業代行とかもしていますね。だから、外からはすごく見えづらい部分で動いてます(笑)業務実績だけ見ると色々とっ散らかってるようには見えるんですが、『SPに必要なものを用意する』ということで一貫していると思いますよ」 ――その会社がなぜ突然プロレスビジネスに進出したのでしょう 「スポーツマネジメントの仕事をしてる中で、選手にイベントに来てもらうとか、タイアップして商品をPRしもらうとかっていう業務があるんです。スポーツ界だと、芸能界と比べ小回りも効く部分が出来ることが多いですね。その仕事の中で諏訪魔さんと知り合って色々とお話をしている中で、『全日本プロレスにもSP的な発想を入れてみるとおもしろいのでは?』というご相談を受けて、『じゃあ一緒にやってみましょうか』ということで会社としての接点が生まれました。そこから……気付いたらこうなってました(笑)」 ――気付いたら新たな女子プロレス団体が出来上がっていた……? 「まあ、それもキッカケは諏訪魔さんですよ。諏訪魔さんが『女子プロレス団体をやりたい』と考えている中でウチと一緒にやることになって、全日本さんからも十枝さん(※十枝利樹取締役)が色々お力を貸してくださって、Evolutionというものが出来ました。でも、出来たときにはホンットに何も決まってませんでしたし、選手も1人もいませんでしたからね。ホントに暴走専務と一緒に暴走していた形でした(笑)」
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