大阪・森之宮検車場が検査機能移転 最後の架台おろし
これが森之宮車検場だ。場長が詳しく案内 THEPAGE大阪
大阪市営地下鉄の森之宮検車場で14日、「最後の架台おろし」が行われた。全般検査と呼ばれる作業の最終工程で、別々に点検・修理した車体と台車をドッキングさせる作業である。森之宮検車場は、1月末で全般検査業務などを終了・移管することが決まっており、ここで架台おろしが行われるのはこの日が最後となった。
47年間にわたり中央・谷町・千日前3線の車両検査
自動車の車検にあたる全般検査。8年以内の周期で行われ、車体や台車を分解し、徹底的に検査・修繕・清掃する。 森之宮検車場は昭和44年の開設以来、47年間にわたって中央線・谷町線・千日前線の車両の検査を担当してきたが、施設の老朽化などに伴って検査機能を移転することに。この日、最後の検査車両で架台おろしが行われたのだ。
検車場長「役目を終えるのは感慨深い」
同日午後1時過ぎから始まった作業は、2両の車体を順番にクレーンで吊り上げて線路上に置かれた台車へ下ろし、1時間ほどで終了。先に検査の終わった4両と組み合わせ、近々試運転を行い、再び中央線で活躍する。 森之宮検車場の太古(たいこ)孝治場長は「ここでは堺筋線や長堀鶴見緑地線などの車両の部品検査も担当してきた。まさに大阪市営地下鉄を支えてきた場所で、役目を終えるのは感慨深い」と話した。
業務は四つ橋線北加賀屋駅近く緑木検車場で
今後、森之宮検車場では「月検査」「列車検査」と呼ばれる、機器の分解を伴わない検査を引き続き実施。これまで行われていた全般検査、重要部検査と臨時検査業務は、四つ橋線北加賀屋駅近くにある緑木検車場で実施される。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。