半導体後工程の進化に貢献 25年4月からTSV/RDL受託開発・受託製造サービス開始
AI(人工知能)の普及拡大とともに、半導体の高性能化に向けた技術開発が加速している。半導体の高度化を実現するため、半導体製造における後工程の領域で技術革新が進む。後工程とは、半導体ウエハーへの回路形成を行う前工程に対し、ウエハーを切り分け、パッケージングを行い、半導体デバイスの形にする工程を指す。 高機能・高性能な半導体を作り込む技術として注目が集まっているのが、複数の異なる種類の半導体チップを1パッケージに収める「チップレット」と呼ばれる技術。複数の異種半導体チップを1パッケージに収めるためには、異種チップ間を接続するためのTSV(Through Silicon Via)と再配線層であるRDL(Redistribution Layer)が必須となる。 チップレットを実現するTSV/RDL技術 TSVとはシリコン貫通電極のことで、従来のワイヤを用いた接続方法と異なり、チップに微細な穴を開け上下のチップを電極で接続する技術。RDLはデバイス内部に配線を再分配するための層を形成する技術で、これら二つの技術ともチップレットには不可欠な技術だ。チップレット市場の伸長に伴い、TSV/RDLを用いた半導体市場規模は、年間1兆円以上と推定され、今後も大きな成長が期待されている。 急速な技術革新と開発が進むチップレットだが、大きな課題がある。それは、供給面の課題だ。TSV/RDLを必要とする半導体に対し、開発の初期段階から生産まで一貫して委託できる企業は少ない。TSV/RDLを受託する海外ファウンドリーは存在するものの、開発初期段階で必要となる短期間での少量試作や品質保証を伴う量産に対応できる企業は限られている。 TSV/RDLの受託開発・受託製造サービスを25年4月から開始 この大きな課題に対応するのが、新潟県妙高市に本社を構えるコネクテックジャパンだ。同社は、半導体をはじめ、センサーやMEMSの実装受託開発・受託製造サービスを提供している。低温から高温まで幅広い接合技術を有し、年間400件におよぶ半導体実装受託開発と製造の実績を持つ。 同社は最先端のチップレット実現に向け、2025年4月からTSV/RDLの受託開発、受託製造サービスを開始する。供給面の課題を解決するとともに、これまで培ってきた高い技術力とノウハウにより技術面の課題解決にも貢献する。 平田勝則会長は「生成AIの普及拡大には、最先端のチップレット技術が必要。TSV/RDLの実装受託開発および受託製造の一気通貫サービスにより、先端パッケージングの技術革新に貢献する」と話す。