トヨタなど3社が保有するアイシン株売り出しへ、最大2042億円
(ブルームバーグ): トヨタ自動車、デンソー、豊田自動織機がグループの主要部品メーカーであるアイシンの株式を売却する。日本の上場会社で進む資本効率改善に向けた取り組みに投資家の関心が高まる中、トヨタグループも持ち合い解消を着実に進めている。
アイシンの発表によると、売り出すのはトヨタと豊田織の持ち分の一部とデンソーの保有分全てを合計した計3386万2500株。売り出し価格は7月8日から10日までのいずれかの日に決定する。需要に応じたオーバーアロットメント分を含めた売り出し総額は27日終値を基に試算すると最大約2042億円となる。
トヨタは売却で得た資金を電動化や知能化、多様化などの分野での成長投資に活用する予定としている。売却後のトヨタのアイシン株保有比率は従来の24.8%から20%に低下する。トヨタは昨年に保有するデンソー株を一部売却していた。
トヨタグループが持ち合い見直しへ、手始めにデンソー株を売却 (2)
東京証券取引所による資本効率の改善要請などを背景に上場企業の間では持ち合い株式解消の動きが加速しており、トヨタグループでも取引先の部品メーカーや金融機関などとの持ち合いの見直しを進めている。持ち合い解消で企業に余剰資金が生まれれば成長投資や株主還元の強化につながる可能性がある。
デンソーは前期(2024年3月期)に1258億円相当の政策保有株を売却。豊田合成、トヨタ紡織、豊田通商などのトヨタグループ会社を含めた8銘柄の持ち分がゼロになった。25年までに政策保有株式をゼロにする方針を掲げるアイシンはデンソーや豊田通商など7銘柄の保有分を全て売却している。
アイシンは同日、発行済み株式総数の6.3%に当たる1700万株、1000億円を上限とする自社株買いも発表した。取得期間は今後決定する株式売出しの受渡期日の翌営業日から25年3月31日まで。また、投資しやすい環境を整えるため、10月1日付で1株を3株に分割することを決議したことも明らかにした。