芸歴50年超の女流講談師・桃川鶴女、ラジオ番組で演目を生披露! 宇賀なつみ感激「歴史の授業が、全部講談だったらいいのに…」
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。3月10日(日)の放送は、女流講談師の桃川鶴女(ももかわ・つるじょ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
◆師匠・田辺一鶴と出会い、講談の世界へ…
これまで講談とはそれほど馴染みがなく、あまり詳しくないという小山と宇賀。2人から講談とはどういうものなのかを尋ねられると、鶴女さんは「宝井馬琴(たからい・ばきん)先生からは『講談の“講”は歴史を表し、講談の“談”は歴史を談ずる。歴史を語るのが講談師だ』と教わりました。徳川家康や豊臣秀吉、山内一豊とか、歴史上の人物がたくさんいますよね。その方を題材にして、義理や人情、親孝行、忠義とか……人の道を説くじゃないですけれども、そういう正しい道を歩みなさい、人生を真っ直ぐ生きなさいと、元気づけるお話でもあります」と説明します。 それを聞き、「人生訓を伝えるエンターテインメントみたいな感じですかね」という小山に、鶴女さんはうなずきつつ「徳川家康に会ったわけではないですけれども、たくさんの書物を読んで、人物像を講談師が自分で思い描くんです。『母親に対する気持ちのここだけは伝えたい』とか、兄弟で『兄にこれを伝えたい』とか、物語はたくさんありますよね。それは講談師によって伝える場所やポイントが違うんです」と補足します。 500年以上の長きにわたって続く日本の伝統芸能とあって、代表的な演目が数あるなか、「前座や若手の真打のときは、その台本通りに割と進んでいくんですけど、それよりちょっと(芸歴)年数が上がって、30年選手、40年選手になりますと、やっぱり自分の想いというものを、その話のなかに取り入れるようになるんです」と鶴女さん。 昨年12月に講談人生50年という節目を迎えた鶴女さんですが、もともとは歌手志望でした。歌手を夢見て、故郷・大阪から上京。そこから一転、講談師になったきっかけは「人との出会いですね」と鶴女さん。田辺一鶴(たなべ・いっかく)師匠と出会ったことがきっかけで、講談師を志すことに。 入門した当初は「男社会で大変だったんですよ」と振り返ります。そんな駆け出し時代を経て、現在の女流講談師の数はおよそ60名と、全体の半分以上を占めるまでに増えました。「みんなが頑張ったから。努力をして、勉強をしたから半分以上、女性が残ったんだと思います」と感慨深そうに語りました。