若者の離職率、3年以内で「34.9%」──15年で最高に 「甘い」「根性だけでは」…世代間ギャップも “成長実感”求める?
■離職の経験がある若い世代は?
つらくても続けるといった意見に対して、離職の経験がある若い世代はどう思うのでしょうか? 今年8月に離職した就活中の28歳は「根性だけでは生きていけないですから」。9年前に転職した保険業の34歳は「私はいま管理職なんですけど、辞めない環境をつくれなかった人が悪い。その環境づくりを含めて上司の役割だと思うので」と言います。
■最多の転職理由は「賃金の条件」
厚労省が行った別の調査で若い世代に転職の理由について聞いたところ、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」という意見が最も多く、続いて「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」だったというデータもあります。
■「楽しくなることも」「転職も視野」
これから社会に出ていく学生たちの考えは様々です。 大学生(10代) 「会社って一個決めたら最後までやるイメージだったので。合わないなと思うなら辞めるのはいいと思うんですけど、続けてみて楽しくなることもあると思うから難しい」 大学生(20代) 「長く働ける会社に就職したいなというのはあるんですけど、自分の市場価値が上がるような専門性を身につけたいと考えていて、転職も視野には入っています。上の人とは時代も変わっている」
■若者の離職率UP、専門家の見方は?
専門家は、若者の離職率の増加についてどう見るのでしょうか? 若者の就職事情などに詳しい組織開発専門家の勅使川原真衣さんに聞きました。 勅使川原さん 「自分らしくいられないなら違う場所、もっと咲ける場所を探そうかなという発想に切り替えていく方が若干増えている」 「『成長実感』みたいな言葉を使う方も多い気がしていて、『自分が成長している感じがしないからほかのところに行った方がいいんじゃないか』という声はよく聞きますね」 企業には何が求められるのでしょうか? 勅使川原さん 「出戻り制度などもよく聞くようになった。長い目でリレーション(関係)をつかず離れず作っておく、というのが一つの企業がとれるオプションになってくる。価値観を変えていく、時代の流れに合わせていくというのは必要なことかなと思います」 (10月25日『news zero』より)